【EA開発ガイド】 Part 6 バックテスト実践 – Chapter 7 詐欺EAの作り方

EAを作り始めたころネットで右肩上がりのEA運用成績をみて「すごいなぁ」なんて思っていた。EAを10本とバックテスト10年を300回ほどやってみて思うことがある。「そんな右肩上がりのグラフ怪しすぎる」である。PF(プロフィットファクター)を0.1上げるのにかなりの労力がかかるのを体感しているのでとても信用できない。そもそも、そんな好成績のEAを持っているのなら自分ひとりで運用した方が安全である。海外口座と複利を使えば元手が少なくても何とかなるハズ。好成績のEAを高額で販売するのは「それなりの理由」があるからだ。筆者はロジックのわからないEAはとてもじゃないが怖くで使えない。EAを購入して誰もがお金持ちになれるなど冷静になればありえないとすぐに気付くはずだ。

注意事項

本記事はFXの自動売買について解説していますが内容を保証するものではありません。金銭にかかわる内容であるためご注意ください。参考にする場合は自己責任でお願いします。

将来勝てる見込みのあるEA

将来の勝ちを見据えるとバックテストの成績は簡単に上げることはできない。

EAのリスク管理

順張りのEAを作っていて10年くらいのバックテストをすると1、2年は成績の悪い年がある。そうなると「この年だけ外せれば全体のPFあがるのになぁ」となるわけ。しかし、成績の悪い年を除外してバックテストをして、フォファードテストでたまたま悪い年に当たったらアウトである。成績の悪い年は潜在的なリスクとして管理されなければならない。なので、成績の悪い年だけ除外するようなパラメータを使用したらリスクの管理が出来なくなる。

年単位のムラ

長期のバックテストで年単位のマイナスが出なければ比較的優秀。10年バックテストしてすべての年で成績が良いEAは不可能に近い。マイナスになる可能性がゼロではないもののバックテストから推測し最悪年単位でトントンになるEAなら悪くないと思う。

市場タイミングの調整

年毎のパラメーター調整はリスク管理として不適切と前述したが、市場タイミングでの調整はありだと思う。例えば日本市場の9~16時だけを対象としたEAなどは意味がある。これは日本時間のクセや偏りを狙うもので時間帯に特化しており永続的な効果が期待できる。月単位の調整もしかり。決算のある3、9、12月も他の月と違う動きをするのでここに特化してもいいだろう。

詐欺EAの作り方

過去のチャート都合よくピンポイントで調整すれば簡単に右肩上がりのEAを作ることができる。都合よくリスクを除外しているため、この方法だと将来大きなマイナスがでる可能性が高い。過去チャートへのピンポイント調整は予測が立たなくなる。

1. 適当な売買プログラム作成

まずは適当な売買プログラムを作成する。順張りでも逆張りでもいいし。インジケーターを使ってもいい。

2. バックテスト実施

適当なロジックなのでもちろん成績は悪い。が、結果を集計すると、良い年や月、日が出てくる。たまたまロジックがハマるタイミングがある。

3. ピンポイントで有効化

ロジックがドンピシャでハマる月や日もしくは年を有効化。マイナスになる場所はすべてリジェクトする。日付の範囲でチェックするだけなので難しくない。これで、ピンポイントで成績の良いEAが完成する。

4. 繰り返し

別の条件の簡単なロジックを作り1~3を繰り返す。ピンポイントで勝てる部分が増えてバックテストであり得ないくらいの好成績をたたき出せる。

5. 未来日付

もちろんこの方法だと未来日付のロジックが定まらない。バックテストを餌に相手を騙すのが目的なので未来で動作するロジックは適当でいい。まぁPF1くらい出せれば数カ月は「波がありますね」とかいって騙せるだろう。

まとめ

EAを作っていて思うのだがコードの内容やバックテストの結果がわからないEAは怖くて運用できない。コードを公開してしまうとパクられる可能性があるので、結論としては自分でロジックを組むしかないのだ。誰かが悪意を持ってバックテストを改ざん(ピンポイント調整)しEAを販売する可能性は高いと筆者は思っている。「お金が欲しい」と思っている人は騙されやすいと思うので注意していただきたい。

何度も言うがそんな上手い話はない。

もし「稼げるEA」を持っていたら絶対に販売はしない。自分ひとりで使った方が安全だからだ。本当に勝てるEAを多くの人が使ったら投機筋のAIなどが対策してくる可能性がある(DD方式だと無いかも)。稼げるEAを販売することはEA作者にとってメリットが少ない。「そんなに儲かるなら自分でやれば」ということ。金の卵を産むニワトリは簡単に手に入らないのだ。

ポイント
  • EAのバックテスト成績は簡単に偽装できる
  • コードのわからないEAを運用するのはおすすめできない
  • エントリーポイントを調べれば詐欺的なロジックに気付くはず

バックテストの成績が良すぎるEAにはご注意ください。

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