この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
家にあるものをネタに家具の材質をまとめてみた。一枚板からパーティクルボードまであるが価格も品質も全く異なる。予算や利用シーンによって使い分けるのがポイント。
本記事での星評価は筆者の個人的な意見であるため参考程度にお使いください。
目次
素材の種類
無垢材の寿命は長くものによっては一生涯使えるものもある。一方パーティクルボードなどの合板は耐久性に欠け寿命が短い。無垢材は非常に高価で希少な一枚板になると合板の何倍もの価格となる。
種類 | 寿命 | 質感 | 重量 | 価格 |
---|---|---|---|---|
一枚板 | ★★★★★ | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
はぎ板 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
集成材 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
突き板 | ★★☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
プリント合板 | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ |
パーティクルボード | ★☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
スチール | ★★★☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
一枚板
カットした樹木をそのまま使用するもの。長さは取れるが幅が取れないのでテーブルなどを作る場合は2枚の一枚板をはいで使用することが多い。どんなに大きな樹木でもダイニングテーブルの幅をとるのは難しい。カウンターなどは幅が必要ないのでそのまま使われることが多い。
10年以上前に購入した鬼胡桃のサイドボード。樹皮に近い「みみ」と呼ばれる部分をそのまま残してある。オーダーメイドなのでみみをカットすることもできたがせかっくなので残している。みみのデコボコが何とも言えない雰囲気でよい。樹皮に近い色の薄い部分を辺材と呼び、中心の濃い色の部分を心材と呼ぶ。心材の方が強度が高い。
厚さ55ミリで長さは2m以上ある。重さは50kgを超え。
木材として使えるので職人さんにお願いしテーブルに加工することもできる。
このカウンターは新婚当時に表参道のショップでフルオーダーしたもの。今考えると割高だった気もするがいい思い出である。
はぎ板
はぎ板とは複数の木材をつなげて板にしたもの。樹木すべての部分が材料として使えるわけではない。割れがあったり節があったりして家具の材料として使えるのは一部だけ。職人さんが「木取り」と呼ばれる工程で材料として使える場所を選別。一枚板に比べ木材の良い部分を集結しているのである意味ではぎ板の方が品質が良いのかもしれない。つなぎ目は組み合わせを工夫することで目立たなくすることができる。腕のいい職人さんはこの組み合わせが上手いそうだ。耳付き一枚板を左右ではいだものはつなぎ目がわからないレベルのものがよくある。コストと使いかってを考えると1枚板よりもこちらの方が現実的。
こちらはタモ材のダイニングテーブル。10cm幅くらいの木材が並んで板になっている。タモのがらが大味なのでつなぎ目はあまり気にならない。
小口を見るとつなぎ目がよくわかる。1枚板にくらべれば反りなどの狂いは出にくいと思うが反り防止の金属プレートが2本入っている。
こちらは桜のベンチ。5cmくらいの幅で木材が並んでいる。はぎ板であるがデザイン的にそれほど気にならない。節もなくキレイに仕上がっている。
作業用のデスクはブラックウォールナット。厚みは45ミリ。20cmの板を3枚つないで60cm幅となっている。
切り替えしが少し目立つ。
小口を見るとこんな感じ。
ウォールナットの作業机10年以上前に血迷って自作したもの。これもいい思い出。
集成材
集成材とは木材を細かく組み合わせたもの。はぎ板にくらべつなぎ目が多く縦方向の連結もある。ホームセンターでよく見かけるパイン集成材がそれ。木材の連結部分がかなり目立つのが特徴。
こちらはナラ集成材で作業デスクの棚に使っていたもの。はぎ板に比べ安かったので選んだ。見えない部分だったのでそこまでこだわらなかったがデザイン的に嫌いではない。
オイル塗装しているのでこの色だが塗装前の状態はグレーがかった優しい色。
ナラは自分が使ってきた材の中で一番硬かった。
突き板
突き板とは見栄えの良い木材を薄くスライスして貼りつけたもの。木の質感がありつつ安価で軽量。広い面積の施工や価格を抑えたい場合に有効。プリント合板と見分けがつきにくいが触って感触を確かめるとわかる。プリントは冷たく突き板は多少温かみを感じる。無垢材は反りなどの狂いが出やすいので場合によっては突き板の方が優れている場合もある。
これは実家の壁で40年以上前のもの。
少し穴を開けると下地まで貫通してしまう。壁をすべて無垢材にしたら重量的にヤバイ気がする。
プリント合板
ホームセンターや量販店で売られている家具によくあるタイプ。木目を印刷したシートを合板などに貼りつけたもの。突き板と違い表面が木材ではなくプリントしたシート。安価で木目調を手に入れられるメリットがある。
これは近所のホームセンターで購入したデスク。たしか3,000円もしなかったと思う。
合板なので小口がない。木目調のテープが貼られている。
耐久性が低いので5年に1回買い替えるくらいのつもりでいる。長く使うとプリントしたシートがはがれてきて天板が壊れる。
パーティクルボード
木くずをボンドで固めた材。安価なカラーボックスなどで使われていることが多い。密度が薄いものはネジが効かず扱いにくい。
コスパはありえないくらい良い。ニトリのカラボであれば実店舗で1,000円以下で購入できてしまう。
(2024/11/23 14:47:27時点 楽天市場調べ-詳細)
スチール
オフィスで見かけるタイプ。金属製なので木材と質感は全く異なるが耐久性が高くコスパがいい。プリント合板を買うならスチールの方がいいと筆者は考える。コスパ重視でデスクを選ぶのであればスチールデスク。
仕上げの種類
無垢材の仕上げについて。他にも漆などの仕上げもあるが今回は家にある家具の仕上げを紹介する。
種類 | お手入れ | 質感 | 修理 | 耐久性 |
---|---|---|---|---|
ウレタン塗装 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★☆ |
オイル仕上げ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
ウレタン塗装
ウレタン塗装すると木の表面に塗膜ができる。汚れにくくメンテナンスが楽なのでダイニングテーブルに向いている。木目の段差も少ないので下敷きなしでお絵かき可能。
ウレタン塗料には着色タイプもある。以下はウレタン塗装が剥げた部分。生の木と塗膜の色が違うことがわかる。修理が手間だが耐久性が高いのでオイル仕上げよりもトータルで手間はかからない。
オイル仕上げに比べ触った感触がひんやりする。
オイル仕上げ
オイル塗装はウレタン塗装と違い木の表面を塗膜で覆わない。オイルが木に染み込み汚れや水分から保護する。触った感触はウレタンと異なり木の温かみを感じる。
質感は良いのだが定期的にオイルメンテナンスする必要がある。メンテナンスしないと水汚れがシミになってしまう。ウレタンに比べ耐久性が劣る。メンテナンスコストが高く汚れやすいダイニングテーブルには向かない。
木材の種類
無垢材の樹木の種類について。筆者が実際に使った感想も述べる。
種類 | 硬さ | 重要 | 価格 |
---|---|---|---|
広葉樹 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
針葉樹 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★★ |
広葉樹
針葉樹に比べ強度があり木目が良く味わい深い。重く高価なところがデメリット。長く使いたいなら広葉樹を選びたい。
針葉樹
以下はイケアの無垢材カラーボックス。クリアーのウレタン塗装なので木目が目立つ。針葉樹なのでコスパが非常によい。広葉樹に比べ若干軽い。
無垢高級家具のリスク
一生使える無垢材の家具は魅力であるが非常に高価なため悩ましい。
- 高価なため簡単に買い替えられない
- オイル仕上げではメンテナンスが面倒
- オイル仕上げでは傷が付きやすい
高価なため簡単に買い替えられない
よほどお金持ちでなければ容易に買い替えることができない。引っ越しなどで部屋の模様替えをしようとした時に簡単に変えられない。部屋のイメージは「高級無垢家具」が基準になってしまう。自身のスタイルが確立されていない状態で無垢高級家具を購入するのは無謀。
オイル仕上げではメンテナンスが面倒
無垢素材を使うのであれば仕上げは木の温かみを感じるオイル塗装に魅力を感じる。被膜ができるウレタン塗装と違い木にふれている感じが残るのが何とも言えなくよい。しかし、定期的にオイルを塗ってメンテナンスしないと水分に弱くなり輪シミなどができてしまう。ウレタン塗装にするとはぎ板やプリント合板と触れた感じが変わらないのでもったいない気がする。
オイル仕上げでは傷が付きやすい
オイル塗装はウレタン塗装と異なりちょっとしたことで傷が付いてしまう。ウレタン塗装やプリント合板に慣れた人には使いにくい。傷はやすりがけしてオイルを塗れば直ぐに回復するがウレタン塗装ほど強度がないためお世話が大変。
無垢高級家具を買う理由
一生使えるメリットは大きい。金銭的に覚悟はいるがそれ以上のメリットがあると筆者は確信している。
- 質感が良く長く使うと愛着がわく
- 素材として孫の代まで活躍できる
- インテリアとして飽きずに使える
質感が良く長く使うと愛着がわく
プリント合板や突き板と違い無垢であれば長く使い続けることができる。多少の傷であれば補修できるため壊れることがまずない。生の木は触った感触がまったく違う。長く使うことで愛着がわき手放せない家具となる。
素材として孫の代まで活躍できる
無垢材であれば素材として再利用することができる。例えばサイドボードを机やテーブルの天板に作り替えることもできる。木材としての資産価値があるため一枚板であれば木材として売却することも可能。
インテリアとして飽きずに使える
美しい木目であればインテリアとして優秀。木目に表情があるので使っていて飽きることが無い。木目は職人さんが木取りしたタイミングで決まる。レベルの高い職人であれば仕入れの段階で良い木目のものを選んでくれるはず。オーダーするなら信頼できる職人さんを見つけよう。
利用シーンによって使い分ける
無垢家具を押してきたが利用シーンによっては向かないこともある。
とりあえずの家具ならコスパ重視
無垢は高く実験的に買うことはできない。しかしパーティクルボードのカラーボックスなどは1,000円前後で買えてしまう。部屋のレイアウトなどを実験したい場合やとりあえずの収納ではこのようなコスパ家具も優秀である。
(2024/11/23 14:47:27時点 楽天市場調べ-詳細)
スチール製も優秀
サラリーマン時代にはスチールデスクを散々使ってきたが悪くなかった。平らだしメンテナンスフリーだし丈夫。コヒーこぼしてもへっちゃら。無垢材のような温かみを感じることはできないがそれ以外は非常に優秀。耐久性重視でお金を節約するならスチールデスクは良い選択だと思う。飽きたときの金銭的なリスクも少ない。
まとめ
筆者が無垢の作業デスクを自作したのには理由がある。子供の頃(7歳くらい)に父親が使っていた机を譲り受けた。非常に気に入って使っていたのだが数年でボロボロになって使えなくなってしまった。この時「あぁもっとこの机を使いたかったのに・・・なんでこんな簡単に壊れてしまうんだろう・・・」と思ったのをはっきりと覚えている。大人になり当時使っていたデスクがプリント合板と呼ばれる素材だったことを知る。この頃から長く使える机を使いたいと思いはじめた。
ある時無垢家具がオーダーできるお店でデスクを見積もった。2008年だったと思うが当時27万円くらい。机にこの金額は出せないと思い何を血迷ったかDIYで自作してしまう。木工関連の本を読んで色々研究したが今思えば無謀。そんなこんなで無垢材家具には思い入れが深いのだ。10年以上経った今でもその時作ったデスクを愛用している。
- ちゃんとした無垢家具は一生使える
- 安価な家具は素材がもろく寿命が短い
- 質感の良い無垢を使ったら手放せない
無垢家具を買うならちゃんとした職人さんを見つけた方がいいです。