【波乗り初心者講座】(18)カレント(離岸流)や潮の流れ~カレントにハマったら岸に戻るよりカレントの回避を優先する~

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夏になると海で人が流される事故が発生することが多いがこれば離岸流と呼ばれる海特有の現象が大きくかかわっている。サーフィンをやっているとわかると思うが場合によっては川の流れとおなじような激流になることもある。基本サーファーはこの離岸流(カレント)を上手く利用して沖にでるのだが一歩間違うと大きな事故になることもある。

注意事項

本稿は週末サーファーとして10年ほど活動した筆者の経験に基づいたものです。初心者から中級者に向けた講座でありエキスパートやプロフェッショナルとしての見解ではありませんのでご了承ください。

注意事項

本稿では海で発生する離巌流(カレント)について解説していますが流れや回避方法を保証するものではありません。命に係わる内容ですのでカレントについては十分ご注意ください。

カレントとは

海で発生する流れで場合によっては川の流れのように強くなり非常に危険である。

海で発生する潮の流れ

打ち寄せる波、海上の風、潮の満ち引きで発生する流れ。よく夏に発生する海難事故はこのカレントが原因になっていることが多い。サーファーならわかると思うが強いカレントは川の流れと同じくらい強烈になる。基本的には打ち寄せる波が沖に戻る時に発生するため「岸から沖」に向けて流れることが多い。

サンドボトム(海底が砂)の場合に発生しやすい

カレントは海水浴場などのビーチブレイクで発生しやすい。管理された海水浴場の場合は事前にカレントが発生している部分を遊泳禁止にしている。波がほとんど発生しない湾内(内海)はビーチブレイクであってもカレントが発生しにくい。初心者はビーチブレイクでの練習が多いのでカレントには十分注意したい。

人工物のカレント

堤防やテトラポットなど人工物周辺はカレントが非常に発生しやすい。ただ、堤防横などは砂が付きやすく良いブレイクが発生しやすく混雑する。なので初心者のうちは堤防や人工物周辺でのサーフィンは控えよう。堤防周辺のカレントは通常のビーチブレイクのカレントと異なり流れが非常に強力でパドルで逆らえない。カレントの無い場所まで流されてから岸に戻るのが基本。

沖にあるテトラポットやピアなどは吸い込まれることもあるので波が大きい時初心者は近づかないこと。

横方向のカレント

カレントは横方向にも発生することがある。ひどい時は気づいたら隣のポイントまでながされてたなんてことも。基本岸に目印を付けて狙ったブレイクポイントから外れないようパドルして位置をキープする。ただ、激流で戻れない場合はあきらめて何本か乗って岸から歩いても戻ってもいいだろう。ただ基本はパドリングで位置をキープすること。パドリングの練習にもなるしいいだろう。

ゲティングアウトに利用

波の間隔が狭くゲティングアウトがしづらい時はカレントを利用して沖にでる。カレントが発生している縦のラインは他にくらべ深くなっておりブレイクしづらい。それに沖への流れもあるためサイズのあるコンディションでも簡単にゲティングアウトできる。ただ、沖にでるためのカレントがどこにあるか見定めるのは慣れが必要。わからない場合は入水したサーファーの動きをみて判断する。あと、ベテランサーファーはカレントをサクッと使ってアウトするので同じ場所から出ればよい。

カレントの回避

もしカレントに流されたら流れに逆らわずカレントの終わりまで移動しカレントから外れるように移動する。カレントに逆らって移動しようとすると無駄に体力を消費してしまうため危険。

まずは焦らないのが重要。基本的にカレントに逆らって移動することは不可能。ひとの力でどうにかなるものではない。いかにカレントを回避し安全な場所に移動するかがポイント。カレントにハマったら焦らず岸に戻るよりもカレントの回避を優先すること

注意したいカレント

カレントも危険だがカレントと消波ブロックの組み合わせが超絶危険である。

消波ブロックの吸い込み

テトラポットや堤防周辺テトラの吸い込みが非常に危険。知り合いの方も堤防先端に並んだ四角い消波ブロックに吸い込まれて背骨を骨折する重傷を負ったことがあると聞いた。知り合いのサーファーもダブルオーバーのコンディションでインサイドのテトラポットに叩きつけられて板が真っ二つとか。筆者も頭以下のコンディションであればテトラポットの隙間から入る波を狙ったりするがあまりにも大きいサイズの時は怖いので近づかないようにしている。

サイズがある時のテトラ周辺は本当に危険なので十分に注意しよう。

激流の河口ポイント

河口ポイントは基本ローカル色が強いので初心者がはいることをほとんどないと思うがもし入ったらカレントに気を付けたい。普通のカレントと違って川の流れが合わさりかなりぶっ飛んだカレントが発生する。あと河口ポイントはカレントが強い分ブレイクも強烈になる。膝ぐらいの水深で1.8mくらいのブレイクだとドルフィンもできない。初心者は基本河口には近づかない。空いていても腹以上のサイズであれば十分カレントに注意する。

河口付近のカレントは複雑で非常に危険。ビッグウェーブの河口で亡くなられたサーファーを見たことがある。消防が来ていて翌日のニュースで事故があったのを知った。エキスパートだったがダメだったようだ。川の流れがあると海底で渦が発生し中々海上に上がれないとか。河口のビッグウェーブはエキスパート向けと割り切った方がいいだろう。

インサイドの消波ブロック

インサイドの岩やテトラ巻き込まれはよく見る光景である。頭半くらいのサイズになるとインサイドのカレントはもう壮絶。パドルしてもびくともしない。しかもテトラの吸い込みもあるのでまぁ地獄である。筆者は某離島の胸肩サイズでワイプアウトし骨折したことがある。インサイドにコンクリートの段差があってそこにたたきつけられたため。今思えば命があるだけよかったと思う。骨折とはいえ死ななくて本当によかった。

血だらけのサーファーがテトラポットをよじ登ってくるのを何度か見たことがある。インサイドのテトラ周辺の流れは川の流れくらいやばく足がついても立っていることができないほど。ショアブレイクでドルフィンもできないと板を捨ててテトラをよじ登るなど地獄が待っている。

カレントの体験談

筆者のカレント体験をご紹介したいと思う。

2回目のサーフィンで逝きそうになる

サーフィンを初めて2回目なのでテケテケパドルでテイクオフもできない状態。たまたま知り合ったサーファーと行動を共にしたのでが失敗した。そのポイントは地元でもカレントが強いのが有名な場所でありとても初心者向けとはいえない。サイズは腰腹ぐらいだったと記憶しているが沖出し(リップカレント)があり気付かづ漂流しそうになってしまった。沖で流されいるのに気付いた時は岸ははるかかなた。必死でインサイドまでパドルして戻ったが2回目なのでまともにパドルができず本当に焦った。

河口の激流カレントからテトラ地獄

サーフポイントによってはインサイドにテトラポットや岩がある場所がある。エントリーする場合は決まったポイントがありそこから出入りする。ただ、横の流れが強く出入口に戻れなくなってしまった場合が「ヤヴァイ」のである。他にもビーチブレイクのポイントからインサイドテトラだらけの隣のポイントに流されたりなんてこともある。テトラの上で波を食らい続けると板がボロボロになりウェットも傷だらけ。

この時はどうやっても元の場所に戻れないので500mくらい離れた隣のポイントから岸に戻った。場所によっては危なかったかもしれない。

暗闇のリップカレント

たしかサーフィン3年目くらいだったと思うが朝4時くらいから午後7時くらいまでサーフィンした時の話。その日は朝から晩までどのポイントでも最高の波がブレイクしていた。こんなコンディションは滅多にないと思い徹底的にサーフィンしたのだが。気付いたら暗くなり振り向いたら沖に流されていた。インサイドに家の明かりがちらほら見えるがかなり遠い距離。河口の近くだったため沖へのカレントが発生しなかなか岸へ戻れない。冷静に考えたら横に移動して戻ればよかったのだが焦ってそこまで頭が回らなかった。暗闇の海で沖に流されるとか普通に怖い。

暗闇の海でひとりぼっちになった時はスーパー焦った。カレントの迂回方法は理解していたが真っ暗になってしいパニックで流れに逆らって

ロングもぶっ飛ぶスーパーカレント

今まで見た中で最強と思えるリップカレント。中上級者向けのシークレットポイントでの話。サイズは頭から頭半くらいでそれほどハードなコンディションではなかった。筆者たちが高台の岸から見ていると2人のロングボーダーが入水。海に入ってしばらくするとロングボーダー2人がものすごい勢いで沖に流れていく。さすがに気付いたのか岸に戻ろうとフルパドルするがどんどん沖に流されていく。ブレイクポイントのはるか先まで流されてそこでカレントが終了。100m以上一気に流されたのでかなり焦ったと思う。その後横に移動して戻れたようなので焦らなければ何とかなるようだ。

10年以上前の話だがこの日はこのポイントをあきらめ別の場所に移動したのを今でもハッキリ覚えている。

まとめ

腰腹くらいでもカレントが強くゲティングアウトしづらい時があるのでそんな時はリップカレントを使用するとよい。カレントの場所が分かりにくいが他のサーファーをよく観察し流れを見極めよう。サイズのある時は強いカレントが発生している可能性が高いので初心者は十分に注意しひとりで入らないことをおすすめする。人工物周辺のカレントは慣れないとちょっと怖いので入る場合はベテランサーファーの指導を仰ぐこと。

ポイント
  • 海では離巌流(カレント)と呼ばれる流れがあり水難事故の原因となっている
  • サーファーはこのカレントを利用してゲティングアウトする
  • カレントによってテトラポットによって吸い込まれることがる

サイズのある初心者は人工物に近寄らないようにしましょう。

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