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ビルケンシュトックのサンダルのかかとがすり減ってしまったので自分で修理することにした。修理には靴修理用の補修剤シューグーを使用する。今回が二回目の修理であるがアクリル絵の具による着色にもチャレンジ。結果として失敗してかなり手間がかかってしまったがなんとか修理することができた。途中気泡の穴がふさがらず発狂しそうになった。補修剤での修理を検討している方は参考にしていただきたい。
今回修理するサンダルはこちら。
目次
修理箇所の確認
サンダルのかかとのすり減りの他にかかとのコルク部分がボロボロになって壊れてしまっていた。今回はかかとのコルク部分も合わせて修理する。コルクの修理は初めてでとても嫌な予感がする(後に予感的中となる)。
かかとのすり減り
歩き方が悪いのか毎回同じ部分がすり減ってしまう。かかと以外のソールはほとんどすり減っていないのでこれを捨てるには惜しい。
コルク部分の壊れ
こんな感じでかかと部分のコルクがボロボロになってしまった。履いていて支障はないがこれ以上壊れるのを防ぐために補修剤で修理する。
ビルケンシュトックの修理
ソールとかかとのコルク部分を補修剤を使って修理する。
使用する道具
今回修理に使用した道具は、以下の7点。補修剤以外は100円ショップで入手可能。コスト削減のため100円ショップを積極的に利用している。補修剤はシューグーかスポーツグーのどちらかがあればよい。
- シューグー(自然色)
- スポーツグー(透明色)
- アクリル絵の具(黒、茶)
- ヤスリ(シューグー付属品)
- 布テープ
- 厚めのフィルム(クリアファイルでも可)
- 小皿
シューグーとスポーツグーはネットで購入可能。
アクリル絵の具
今回はソールの焦げ茶色を再現するために茶色と黒のアクリル絵の具を準備した。これも100円ショップで購入可能。
ソール修理の流れ
結果修理にひと月近くかかってしまった。要領がわかればもっと手早くできたが色々と失敗してしまった。
1.ヤスリによる下地処理
ヤスリで接着面を荒どりする。ここをサボると剥がれてくる可能性もあるので念入りに削った。
新しい下地が見えるまで念入りに削り込む。
2.枠を装着
布テープで枠を装着する。ソールに合わせピッタリ取り付ける。
3.補修剤の着色
アクリル絵の具と補修剤(シューグー)を調合する。とりあえず目分量でやる。慣れてくると絵の具の割合がわかってくる。適当でもなんとかなる。あまり神経質にならない方がいい。
とりあえず同じ分量で混ぜてみる。
混ぜ合わせるといい感じに。
調合した色を目視確認。なかなか良い焦げ茶色に仕上がった。目立つ部分ではないのでそれほど気にしない方がいい。気にしだすときりがなくなるからだ。
ここでシューグーを投入。思ったより固まっていて使いにくかった。もしかしたらロットが悪かったかも。次回購入して固まっていなかったら購入先サイトにクレームを入れようと思う。
まぜまぜしてこんな仕上がり。思いのほか粘度が高く不安になる。このあとこの不安が的中する。
4.補修剤の塗り付け
着色した補修剤をサンダルのソールに塗りつける。
削れた部分が多いのでたっぷりと塗りこんでいく。
ソールと枠の際の部分が塗りにくいのでつまようじなど細い棒で塗りこんだ方がよい。
気を抜くとこんな感じで気泡が入ってしまう。補充する面は9ミリくらいとかなり厚い。
塗り終わりがこんな感じ。粘度が高いので綺麗に塗れなかった。色は思ったより上手く決まった。
5.乾燥
乾燥したら、9ミリ近く塗ったが5ミリ以上陥没していた。説明書にも「厚塗りする場合は数回に分けて」とあった。大量に補修剤を盛った時点でアウト。しかも厚く塗ったので乾くまでに一週間以上かかってしまった。
6.補修剤の塗り付け(2回目)
気を取り直して二回目の塗り付け。
面倒なのでまたも大量に盛り付けてしまう。冷静に考えれば失敗することがわかりそうだが・・・。
7.乾燥(2回目)
厚塗りしたのでまたぺっこりへこんでしまった。
8.加工
枠を取り外し余分な補修剤をカッターで切り取り成型する。
ペリペリと枠を外すが何か嫌な予感がする。
枠を外してみると怪しいくぼみが・・・。どうやら厚塗りしたせいで気泡ができてしまったようだ。
気泡は置いといてとりあえず余分な部分をカッターで切り取る。
気泡部分を確認してみると左右ともに大きな穴が・・・。この穴がこの後悲劇を招くことになる。
9.気泡の穴埋め
気を取り直して気泡を補修剤で埋めることに。
枠を装着して。
枠に補修剤を流し込む。
乾燥したらべっこりへこんでいた。
削ってみるとまた大きな穴ができていた。気泡ができていて穴が全然埋まらない。
10.気泡の穴埋め(2回目)
面倒なので補修剤(シューグー)を着色しないで塗ることにした。
結局のところこれも一回ではできず3回繰り返した。なかなか穴が埋まらず発狂した。
11.仕上げ
気泡をふさいだ後をヤスリで整える。
最後は着色した補修剤で仕上げる。
この時点でシューグーを7回くらい塗りこんでいる。乾燥時間を含めると2週間以上かかってしまった。
仕上がりがこちら。
まぁまぁの出来。疲れたのでこれ以上見栄えをよくすることはあきらめる。あとは余分な補修剤を切り取って終了。
コルク部分修理の流れ
コルク部分の修理も気泡に悩まされ散々な結果となった。
1.壊れている部分の確認
革、麻布、コルクがそれぞれ剥離している。
2.補修剤の塗りこみ
剥離した隙間に補修剤を塗りこむ。
塗り終わって枠を付けた状態がこちら。
若干気泡が見えるがこのまま乾燥へ。
3.乾燥
乾燥した状態がこちら!!気泡どころか補修剤がコルクにしみ込んでスカスカ状態に。
枠を外してみるとこんな感じ。
思ってた状態とまったく違う・・・。かかとで穴埋めがどれだけ大変か体験しているため憂鬱になってしまった。
4.気泡の穴埋め(1回~3回)
結果から言うと気泡を埋めるのに3回補修剤を塗るはめになった。
こちらが2回目の乾燥後。
まだまだ大きめの気泡が残る。
こちらが3回めの乾燥後。
面倒かつ疲れたので修理はこれで完了とする。
5.完成
なんとか修理完了。
ソールはそこそこいい感じになったが、コルク部分の見栄えがかなり悪くなってしまった。アクリル絵の具での塗装も考えたが失敗しそうなので今回はこれにて修理完了とする。
修理のポイント
今回のシューグーによる修理は気泡との闘いであった。
気泡のできるポイント
説明書にもあるが厚く塗る場合は何度かに分けて塗る必要がある。今回やった感じだと薄ければ薄いほど乾く時間が短くて済む。要するに薄ければ薄いほど乾くのが早いということ。半日で乾く量1~2ミリを数回に分けて塗りこんだ方が早くかつ綺麗に仕上がる。かかと部分が斜めに削れている場合は厚みが出やすいので注意。
斜めに削れたかかとを補修する場合は厚みがでないように形状に沿って薄く塗る。
特に一回目の塗りは厚みが出やすいので注意。
補修剤を厚く塗ると気泡ができる&乾燥が遅いの悪循環に。一見厚く塗った方が早く修理できそうな気もするが真逆。薄く回数を塗った方が結果早くかつ綺麗に仕上がる。厚塗りは大きなデメリットしかない。
コルクの修理
コルク部分の修理で失敗したのは2つ。ひとつはコルクが補修剤を吸収してしまうこともうひとつは枠で補修剤部分をとじてうまく乾かせなかったこと。コルク部分の補修剤吸収に関しては初めに補修剤を薄く塗り完全に乾いてから再度塗れば綺麗に仕上がったはず。枠で補修剤を閉じてしまったのは完全にミス。かかとと同じくコルク部分も薄塗を繰り返すべきであった。ともあれシューグーは穴をふさぐのにはかなり不向きなことがわかった。
その後
三ヵ月ほど使用した状態がこちら。
右足。かかと寄りの部分が少し削れている。
左足は全体に削れている。削れて内部の気泡が少し見えてきた。色が付いているので内部の気泡が分らなかったがカナリ気泡を含んでいそうだ。
削れる量が多い気がするが剥がれる気配がないので合格点。
更に一月経過した状態がこちら。
思ったより削れてきた。引き続きどの程度補修部分が削れるのか検証したい。
まとめ
かかと補修剤の使用は今回で3回目。慣れてきたので簡単にできるかと思いきや気泡で失敗してしまった。面倒だからと一度にたくさん塗るとかえって時間も手間もかかってしまう。補修剤はとにかく薄く回数をかけて塗ることで早く綺麗に仕上がる。
- 補修剤シューグーは薄く回数多く塗る
- シューグーは穴をふさぐのに向かない
- シューグーはコルクの補修に向かない
他の靴修理記事や補修剤の比較は以下の靴修理まとめで紹介している。
靴修理まとめ~自分で靴(ブーツ、スニーカー、サンダル)を修理(リペア、補修)~
余談。今回修理したビルケンシュトックのボストン。実は色にやや不満がある。アッパー部分の革感がなくビニールっぽいのだ。交換できるのなら革感のある「アンティークブラウン」にしたい。購入を検討している方は実物を見て判断することをおすすめする。