低価格のSPF材をホームセンターで選ぶときのポイント

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SPF材と呼ばれる木材をDIYではじめて使ってみた。木工は趣味で10年前くらい前からやっているがSPF材を使うのは今回がはじめて。SPF材を使った印象は、「やわらかい」である。今まで使っていた広葉樹と比べるとかなり柔らかく耐久性に不安を感じた。メリットはドリルやノコがサクサク入るため加工が楽なことと広葉樹にくらべ低価格であること。

作業机の天板などには向かないが大きくラフな棚や本棚には向いている。広葉樹に比べ価格が10分の1以下なので初心者の練習にも使える。一番のおすすめはガレージや倉庫などの棚。荒っぽい使い方をする棚に向いている。自作であれば設置場所に合わせたサイズで作ることができるためスペースの無駄をなくすことができる。ちょうどいい大きさの棚が見つからない時はSPF材を使った棚のDIYがおすすめ。

SPF材はネットでも購入できるがホームセンターでの購入がおすすめ。SPF材は反りや歪みなどの狂いが多いため確認して良い材を選びたい。また、送料もあるせいかネットにくらべホームセンターの方が安い傾向がある。本記事ではホームセンターでのSPF材の選び方を紹介する。

SPF材とは

SPF材とは「低価格」「針葉樹」「柔らかい」「ラフ」な木材である。かなりアバウトな木材で精度の高い木工には向いていない。安価で軽く加工しやすいため木工初心者の練習に最適。耐水性や害虫に弱いため屋外での利用に向いていない。

北米産マツ科樹木の内、トウヒ属(Spruce)、マツ属(Pine)、モミ属(Fir)の総称。木材としてはこれらの樹種を区別せずに「SPF材」として生産、流通される。

引用:SPF – Wikipedia

針葉樹と広葉樹

基本的に、広葉樹は重く堅い、針葉樹は軽く柔らかい。家具などはほとんどが広葉樹や合板で作られている。強度の弱い針葉樹では精度の高い加工ができず繊細なものが作りにくい。

広葉樹 ・高価
・重い
・硬い
・加工しにくい
・精度の高い木工に向く
針葉樹 ・安価
・軽い
・柔らかい
・加工しやすい
・精度の高い木工に向かない

サイズ

よく聞くのが「ツーバイフォー」と呼ばれるもの。2インチx4インチの木材がそのように呼ばれている。38mm×89mmの棒状の木材。「ワンバイフォー」と呼ばれる1インチx4インチの木材もある。幅がないので天板などに使う場合は継いで使う必要がある。ホームセンターによっては1 x 8など幅の広い材もあるため継いで天板を作る場合はできるだけ幅の広いものを選びたい。

2 x 4 38mm × 89mm 反りは少ないがサイズの誤差がある。節が多い材は歪みのある可能性あり。
1 x 4 19mm × 89mm 厚み方向の反りがひどい。筆者がホームセンターでみたところ7割くらい沿って使い物にならなかった。
2 x 2 38mm × 38mm この材も反りがひどい。幅と高さが同じなので両方向に反る。

小さい材の方が反りなどの狂いが多い。2 x 2に至ってはほとんど反っているのでホームセンターでの購入時に注意してほしい。

幅が狭くても継いで広い天板を作ることができる。カインズホームでは、2 x 8や1 x 8などの幅の広いタイプも店舗によっては取り扱いがある。

地元のカインズホームで取り扱いのあったサイズ

近所のカインズホームでは以下のラインナップだった。足りなかった場合の買いたしを考えこのサイズで設計。12Fだと長すぎて扱いづらい。多少無駄はでるが、趣味のDIYなら6Fで十分だろう。

ほんとうは2×2の角材が欲しかったが近所の店舗には30x40mmしか取り扱いが無かった。角材部分はすべてこのサイズで設計している。

高さ x 幅 長さ
2×4(38x89mm) 6F(1,820mm)
2×4(38x89mm) 12F(3,650mm)
1×4(19x89mm) 6F(1,820mm)
1×4(19x89mm) 12F(3,650mm)
30x40mm 6F(1,820mm)

カインズホームのネット販売で取り扱いのあったサイズ

これがすべてのラインナップではないが使えそうなものをピックアップしてみた。ネットで調べたところ幅の広い2×8を扱っている実店舗もあるようだった。現物確認ができないのでネットでは怖くて購入できないな。

高さ x 幅 長さ
1×3(19x63mm) 6F(1,820mm)
1×4(19x89mm) 6F(1,820mm)
1×6(19x140mm) 6F(1,820mm)
1×8(19x184mm) 6F(1,820mm)
1×10(19x235mm) 6F(1,820mm)
1×12(19x286mm) 6F(1,820mm)
2×3(38x63mm) 6F(1,820mm)
2×4(38x89mm) 6F(1,820mm)
2×6(38x140mm) 6F(1,820mm)
2×8(38x184mm) 6F(1,820mm)
2×10(38x235mm) 6F(1,820mm)
2×12(38x286mm) 6F(1,820mm)

価格

SPF材は広葉樹に比べるとかなり安い。実際に価格を比べてみると・・・。

38mm × 89mm x 1,820mm SPF材 630円
ウォールナット 9,450円

※2019/9/1時点での「木材通販のマルトクショップ」での見積もり価格。

筆者も何度か利用しているマルトクショップで確認すると10倍くらい違う。ホームセンターだとSPF材の価格はさらに安いので20倍くらい。この価格を考えるとSPF材なら大物も気軽に作ることができる。

ホームセンターの「コーナン」が楽天で出品しているが材を選べないのと送料がかかるのがマイナスポイント。

2019年8月のカインズホームでの価格はこちら。6フィートの2 x 4で398円。

1 x 4で258円。ネットでの販売もあるが材が選別できる店舗購入がおすすめ。

倍の長さの12フィートも取り扱っているが取り扱いが困難なので購入しなかった。長いと割安で無駄なく使えるが重くて反りの確認が気軽にできない。

使いどころ

安いのは良いが柔らかく精度の高い木工に向かない木材をどこに使ったらいいのか?ネットで調べてみた。

ベッド 意外に多かったのがベッド。SPF材でマットをのせるベッドの枠を作っている。大物で精度が要求されないのでよく考えらたSPF材に向いているかもしれない。多少武骨でもマットと布団をのせてしまえばあまり気にならないだろう。
本棚 これもSPF材で作っている人が多かった。広葉樹を使って本棚をDIYしたら簡単に数万円行ってしまう。合板の本棚を買った方が安い。本棚はSPF材を使ったDIY木工の練習にはちょうどよさそう。
ラフな机 SPF材で机を作っている人がちらほら・・・。個人的に作業用デスクなら広葉樹をおすすめしたい。長く使える広葉樹を使った方が愛着がわく。ただし荒っぽい作業をするデスクならSPF材でもOK!!
物置の棚 人目に付かづ広葉樹を使う必要性がほとんどなくSPF材の出番といったところ。ガレージの棚などはSPF材を使ったら自分の好きなサイズでできるので非常に便利。安価なので大物も気軽に作れる。
ラフなベンチ 屋外に置く場合は塗装が必要なので注意。ベンチも広葉樹で作るとかなりの値段になる。屋外向けを実験的に作るならいいかも。長く使う屋内向けベンチなら高くても広葉樹がおすすめ。

個人的には本棚と物置の棚がおすすめ。とくに物置の棚は安価で作成できるためSPF材が向いている。本棚は大きいものを広葉樹で作るとかなりの金額になってしまう。安く大きな本棚を作りたい場合はSPF材がおすすめ。

ポイント
  • 大物のDIYはSPF材がおすすめ
  • SPF材は価格が安くDIY木工の練習に最適
  • 長く使う家具なら広葉樹

お手頃価格の木製ラックもあるがどうしてもサイズが合わない。ものづくりが好きなら部屋にピッタリあったサイズの棚を自作してしまおう。

SPF材の選び方

材の品質に違いはあるかもしれないがネット通販よりホームセンターで買った方が安い。ただし、廃材レベルの木材が混ざっているので購入時には十分い注意すること。木材としてまったく使い物にならない嘘みたいに反りかえったものが平気で売られている。

板目と柾目

DIYで木工をやったことがある人なら聞いたことはあるかもしれない。丸太から取れる木材の種類には板目と柾目があり、収縮や反りなどの狂いの少ない柾目が良い材とされている。SPF材であっても柾目の方がずっしり重く反りにくい。断面を見れば直ぐにわかるので柾目の木材をチョイスする。

反り

特に上の方に積んである材はガンガンに反っている。反りがあるとびっくりするくらいまともに加工できない。直角や水平面が狂っているのでまともに仕上がらない。素人が見て直ぐにわかるくらい強烈に反っている材があるので要注意。

ひどいものはこのように手に取る前から反っているのがわかる。

板を水平にして先端を見るとわかる。板の色と違う背景で確認するとわかりやすい。素人でも数本確認すればどれが良いかわかるようになる。筆者は20本買うのに100本以上確認して購入している。それだけ売り物にならないようなひどい木材が多いのだ。

このようにのぞき込むと右に大きくカーブしているのがわかる。反りのある材は素人が見ても判別可能。

割れ

商品として陳列しておいていいのかと思えるくらい割れている木材が混ざっている。反りが無いからと安心せず割れていないかも必ずチェック。先日ホームセンターで反りが無く見た目も良いので購入したら割れていて半分くらい使い物にならないものがあった。反りが無く良い材を見つけたら側面と表裏も隅々確認。

よく見ると手前のカドが欠けている。

樹液

意外にこいつが致命的。ベトベトで使い物にならない。樹液が出ている周辺の材もアウト。選んでいる途中は樹液が他の材に付かないように別にしておいた方がよい。樹液がでている部分は使い物にならないので絶対に避ける。

下の材にも樹液がべっとりついていて2本アウト。

歪み

厚みのある方向で歪んでいる材がある。ひどいものだとぐにゃんぐにゃんにうねっている。節の多い板目の材に歪みが多い。歪んでいたら直角も水平も取れないので絶対避ける。

節があると歪みの原因になるので出来るだけ少ないものを選ぶ。ただし、節は必ずあるので小さい節は気にしない方がいい。節の有無より反りや歪みの方が致命的である。節の周辺の割れや欠けもチェック。

節の無い部分はほぼ無いので見える部分に節が無いように木どりする。見た目重視なら木表木裏を気にしないで使ってもよさそう。

重さ

年輪が細かく詰まった材は重い。違いは持った瞬間にはっきりとわかるレベル。重い材で反りや歪みが無ければアタリ。筆者が確認したところ50本に1本くらいの割合でしか見つからなかった。10本以上買う場合は気にしない方がいい。

大きさ

PSF材を並べて天板を作ったところ1ミリくらい大きさに誤差があった。精度を上げたい場合はノギスなどで大きさをチェックした方がよい。継いで天板を作る場合は板厚をノギスで確認。

汚れ

こんなの売り物にしていいのかと思うくらい汚れている材が混ざっている。店員さんを呼んで捨ててもらおう。

ここまで汚いとガレージでも使えない。

カットする時点でサイズが足りてない。明らかな不良品である。

まとめ

SPF材はお金をかけずに大物の家具を作るのに向いている。実家の納戸にちょうどいい大きさの棚が見つからず棚をSPF材で自作した。広葉樹で作ったら5万円を超える可能性もあったが、SPF材なので1万円ちょいでつくることができた。目につかない場所の棚には最適ではないだろうか。初心者の場合失敗した場合のショックも少ないので練習にも使える。SPF材は狂いの少ない材を厳選すれば十分に使えるのでおすすめできる。

安くて便利に使えるSPF材だが普段使う作業机などは広葉樹を使った方がよい。広葉樹は硬く耐久性があるため長く使うことができる。筆者は愛着のわいた机を長く使いたいので高くても作業デスクには広葉樹を使っている。

SPF材のポイント
  • SPF材は安価でDIY木工初心者の練習に向いている
  • 大型の棚や本棚などを安く作るのにSPF材が向いている
  • 肌に触れ長く使う家具などは高くても広葉樹を使うのがおすすめ

SPF材は想像以上に問題のある材が多い。使い物にならないように反りかえったものもあるためしっかりと材を選びたい。反りや歪みのある材が混ざっていると直角や水平が取れずまともに組み上げることができない。材の選びで失敗したらその時点でアウト!!

SPF材を選ぶポイント
  • 反ったり歪みのある木材を使うとズレが発生し上手く組みあがらない
  • SPF材は品質が悪いため反りや歪みなどの狂いを確認してから購入する
  • どんなに面倒でも反りの無い材を選ぶこと

ガレージや物置でちょうどいい大きさの棚が見つからない場合はSPF材でのDIYがおすすめです。

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