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妻が教育に対してかなり意識が高く普通の学校以外のオルタナティブスクールと呼ばれるものを調べていた。オルタナティブスクールとは現在の一般的な学校(一条校)の代替となるもので、既存教育に疑問を持つ人などが運営している。オルタナティブスクールにはフリースクールなども含まれるが単純に不登校の子たちが集まる場所と言うだけではない。ここを掘り下げるとキリがないので割愛させていただく。
きのくに子どもの村学園はオルタナティブスクールの位置づけにも関わらず一条校となっているかなり珍しい学校である。ただし一条校とは言え学費は高額。しかも募集倍率が高く簡単に入学することができない。昨年見学に行ってきたのでそのことについて少し話したいと思う。
筆者は教育の専門家ではないため一般的な意見と一部乖離している可能性があります。本記事の内容は個人的な意見としてご査収ください。
目次
きのくに子どもの村学園とは
オルタナティブスクールとしては歴史のある学校である。
概要
ざっくり言うとクラスごとの体験を重視した「サマーヒル」と呼ばれるオルタナティブスクールのジャンルだと思う。親が思う学校の雰囲気とはいい意味でかなりかけ離れている。普通の学校であれば9割くらいが基礎学習の時間が割り当てられるがここでは基礎学習は2割程度でプロジェクトと呼ばれる活動が中心となる。そもそも既存の学校に疑問や違和感を感じていない人にとっては到底理解できない内容である。
学園の基本方針
私たちは、どの子にも、感情、知性、人間関係のいずれの面でも自由な子どもに育ってほしいと願っています。
そのため、次の3つの点を大切に考えています。
■自己決定の原則 子どもがいろいろなことを決めます。
学習計画や行事の立案が子どもと大人の話し合いで決まります。自分の入るクラスが選べます。クラスミーティング、寮のミーティング、そして全校集会など、話し合いのとても多い学校です。■個性化の原則 一人ひとりの違いや興味が大事にされます。
個性や個人差を尊重します。年齢が同じだからといって、同じことを同じ方法で、同じペースで、同じ答えに向かって学習するのではありません。ひろい範囲のさまざまな学習や活動が選べます。■体験学習の原則 直接体験や実際生活が学習の中心になっています。
本やドリルの勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が重視され、「プロジェクト」と呼ばれて時間割の半分を占めています。クラスはプロジェクトのテーマによってつくられ、子どもは好きなところを選んで所属します。
寮生活
全寮制ではないもののほとんどの子が寮で生活している。遠方から来る場合は確実に寮生活となり週末だけ家に帰る。筆者は何となく丁稚奉公を想像してしまう。親元から早い段階で離れるメリットもあるがデメリットもありそう。
戦後はじめて学校法人として認可された自由な学校です。子どもたちの多くが寮生活を送りながら学んでいます。
国内外の教育関係者やマスコミからも注目され、現在は学校の数も増えました。
学費
年間で約132万円と私立並みに高いがオルタナティブスクールとしてはこんなものだろうか。
きのくに子どもの村学園にかかった費用(/月)
授業料:50,000円/月
寮費 :60,000円/月(週末は帰省)
上記とピッタリ同じ金額!?週末の交通費は含まれないのでもう少しかかりそう。
きのくにの授業料は、小学生で月曜から金曜まで寮で生活し、週末は家で過ごすという子の場合、教材費、寮費、食費、施設拡充費、とにかく全て含んで132万円です。我が家は特別裕福というわけではありませんが、きのくにの充実度を考えると、この金額が特別高額だとは思いません。
きのくにの見学
既存の学校に比べればいい事ばかりだが違和感もあった。
一般的な学校と比べて
普通の小学校と比べるとちょっとどっちらかった感じ。縦割りの異年齢教育やプロジェクト中心になっているせいか学校内がわちゃっとしている。日中PCを使って何か作業している生徒もいれば屋外で木を切っている子がいたりとさまざま。プロジェクトという枠組みがあるので完全自由ではないが普通の学校にくらべたらめちゃくちゃ自由だと思う。小学生だとそこまで違いはない気がしたが小学校高学年から中学生くらいになると顔つきがちょっと違う気がした。
異年齢による縦割りプロジェクトや基礎学習以外の学びなどは既存の学校にない特色であり良いところだと思う。
筆者の感覚
筆者が子供のころを結構自由だった気がする。40年以上前の話だが授業中にプラモデル作っている先生や授業を中止してドッチボール始めちゃう先生とか普通だった。今はそんなことする先生はいないと思うが昔はちょっと緩くてそれがよかった。きのくにもそれに近く自由で興味の持っていることに打ち込める環境は貴重。小学生までは詰込み型の教育よりも体験型の教育の方が個人的には良い気がする。既存の学校ときのくにのような学校が一条校として選択肢のひとつになってくれたら一番うれしい理想である。
妻の違和感
オルタナティブ教育など言い始めたのは意識の高い妻がきっかけであった。その妻がきのくに見学でちょっとした違和感を感じていた。鈍感な筆者はすぐには気づかなかったがあるブログをみつけてなるほどと思った。
最終的にはHさんの本を読み直してみると親よりもHさんが素晴らしいと子供たちに言わせることを彼が望んでいることがハッキリと書いてあり彼の支配欲を満たすためにある学校なんじゃないかなって感じたことです。
真偽はわからないが妻が感じた違和感はまさにコレ。筆者も本人に会った時のスタッフの緊張感は普通ではないと感じた。
森鴎外は、「権威の思い込み」にとらわれた典型的な人でした。
引用:ミライの授業 86ページ
筆者もそうであるがどうしても権威を持った人の意見に聞き入ってしまう。常識を疑い自分自身で物事を考えられない人は権威で物事が見えなくなるのだろうか。他人の意見などを参考にするのも良いが自分の頭で考えることがいかに重要なのかと実感する。
そのおやつタイムそもそも必要なのか聞いてみましたし毒菓子ではなくもう少し栄養なるものにはできないのかと聞いたら学園長Hさんがこだわらない主義なのでそれはできないんだそうです。(こだわらない主義は毒菓子強制というこだわり!があるみたい)
筆者が気になったのは食に対する意識。食品の安全については自動翻訳もあるので海外の情報などを調べれば子供でもある程度わかるハズ。食や健康については生きる上で非常に重要な部分なのでスルーしてしまうのがちょっとまずいかなと。
盲信しないこと
既存の学校に違和感を感じる人にとっては非常に素晴らしい学校に思えるかもしれないが盲信は禁物。これこそ親が自分自身の頭で子供の教育についてちゃんと考えた方がいいだろう。
最初からそういう場であったのに理想郷のように思いたかったのは私たちなんですよね。
筆者もネットで良い情報しか見なかったので理想郷と思いたくなる気持ちがあった。その時点で自分で考えることを放棄してるからダメなのかも。オルタナティブだから良いじゃなくて子供達の将来のために自分たちに何ができるか親が真剣に考えないといけないんじゃないだろうか。
古い考えの違和感
筆者はガチガチの古い考えのステレオタイプである。オルタナティブ教育と真逆といってもいいだろう。オルタナティブスクールでよく工具を使うのを目にするのだがどの学校でも扱いが雑すぎる。プロの現場に行くとわかるが職人さんは道具を大事にしてできる人ほど整理整頓がしっかりしている。小学生に職人さんみたいにきっちりやれとは言わないがもう少しなんとかならない物だろうか。と、このような古い考えがダメなのは自分でも何となく理解している。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
引用:山本五十六
任せて見守るのって思ったより難しい。
コーチングと学校教育
最近コーチングと呼ばれるものに少しハマっている。特に苫米地氏の動画などに興味がありいくつか確認した。コーチングのポイントはゴール設定とエフィカシー向上である。既存の学校教育は子供達のゴールを卑近なものとしエフィカシーと下げることを目的としている。要するに従順に税金を納める会社員を量産したいのだ。
コーチングとは何か~アファメーションなどでゴールへの臨場感を高めクライアントのエフィカシー上げること~
子供達のゴール設定を遠く大きなものにしエフィカシーを極限まで上げることが本当の教育ではないだろうか。テストの点数で子供のやる気を自信を奪わないでほしい。
まとめ
子供達の様子を見ていると既存の学校よりもイキイキしている気がした。社会に出て色々経験して思うのだが今の学校教育はそうとうヤバイと思う。既存の学校では基本的に勉強して受験して良い会社に就職するのをゴールに設定している。そのため根こそぎ子供達の可能性を奪っているのではないだろうか。まぁ教育の専門家でもないので偉そうなことは言えないが20年以上会社員をしていて色々経験してきてそう思うのである。
- オルタナティブスクールでは既存の学校よりも子供の自主性を重視
- 基礎学習時間は少ないが最終的に学力が向上する傾向がある
- 既存の学校より良さそうだが盲信は禁物
オルタナティブスクールを進路として普通に選べるような社会になってほしいですね。