スチベル改造~コールマンスチールベルトクーラーのカムラッチを改良してフタをロックする~

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ある日突然にYoutubeのレコメンド(おすすめ)でスチベル(コールマンスチールベルトクーラー)の修理動画がでてきた。それはスチベルユーザー誰しもが不満に思う「フタが完全に締まらない問題」を解消方法の動画。筆者もいつか修理してやろうと思いはや15年・・・。これをきっかけに修理することにした。部品やパーツはたまたま家に余っていたものでそろったので早速修理。と、よく見たらスチベルが歪んでいる。断熱材とまわりの金属部分が剥離しているのかフタや本体部分の金属がほんわり浮き上がっている。これによりフタロック部分の位置がズレており固定金具を少しずらして固定することとなった。ヤフオクなどで固定用パーツが売っているらしいがそれを使ったら失敗していたかも。DIY好きのスチベルユーザーは週末にでもチャレンジしてみてはいかがだろうか。

注意事項

製品により個体差がある可能性があるためパーツのサイズは実物で確認してください。

スチールベルトのカムラッチが壊れた

壊れたといっても10年以上まえの話である。スチベルのフタは基本完全ロックができないためロックが出来なくなっても「まったく不便がない」のである。

15年以上使ったスチベル

多分15年以上前に購入したと思うがあまり覚えていない。二泊三日のキャンプなどで活躍していたコールマンのスチールベルトクーラー。重くてかさばるが長く使え保温力も高いのでおすすめ。2Lのペットボトルが縦に入るのも使いやすいポイント。

カムラッチ故障

7年くらい前からフタのロック部分である「カムラッチ」が壊れた。もともとこのカムラッチではフタを完全にロックできないので壊れても何の不便もなかった。

カムラッチ改良

ある日と突然Youtubeのレコメンドに「スチベル改造」の動画が上がってきた。

調べたらスチベルは子供が閉じ込められる事故を防ぐために完全ロックできないらしい。ただ普通に使う分には不便なので完全にロックしたい。スチベルのカムラッチに不満を持っている人は意外に多いようだった。カムラッチの受け部分を金具に変えることでフタを完全ロックさせる。この部品はメルカリやヤフオクなどでも個人が販売している。

カムラッチパーツを自作

工具が無い場合はヤフオクなどでパーツを購入した方が安上がりかもしれない。工作好きであれば迷わずGO!!

1. 改造の概要

スチールベルトのフタが簡単に開かないように改造する。既存パーツは樹脂製で完全にロックはできない。フタをしてカムラッチでロックしてもちょっと強くフタを持ち上げるとパかっと開いてしまう。標準ではフタのロックがまともなロックになっていないのでこれを完全ロックにさせたい。

受け側の部品を樹脂から金具に変えて完全ロックを目指す。

2. 材料の準備

材料は硬質ゴムと金具の二つだけ。どちらもホームセンターで入手可能。

材料
  • 硬質ゴム
  • 金具

硬質ゴム

厚さ5ミリの硬いゴム板。今回は23×39ミリ使用したのでそれ以上大きければよい。ホームセンターなどで手に入る。

Point

厚さ5ミリの硬いゴムの板を準備する。

金具

写真はカット済のものだが購入時はリング状だった。内側の幅は実寸で5.4ミリ。幅は15.5ミリ。厚さ3ミリ。

ざっくりこのサイズの金具を準備。厚みは要注意。

Point

上記サイズの金具を準備する。

3. 工具の準備

任意の物もあるが基本的にはすべて準備しておくのが無難。

工具
  • 金ノコ
  • カッターナイフ
  • 瞬間接着剤
  • 定規
  • クランプ(任意)
  • 金属用ヤスリ(任意)
  • 紙やすり(任意)
  • マスキングテープ(任意)
Point

任意の工具もそろえておいた方がいい。

金ノコ

100円ショップやホームセンターで入手可能。100円ショップのこはちょっと使いにくい。長く使いたいならホームセンターなどでグリップ部分が持ちやすいものを選ぶ。刃はあとで変えられるので本体はグリップ重視で選ぶ。ただし、とりあえずなら100円ショップでも問題ない。

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カッターナイフ

今回カットするゴムは堅く厚さが5ミリもあるので大き目のタイプがおすすめ。オルファで言うところの大型刃になる。替え刃を補充する場合は切れ味のよい黒刃がおすすめ。詳しくはこちらの記事にて。

カッターナイフまとめ~おすすめの本体と替え刃、製品レビューなど~

瞬間接着剤

対象がゴムと金属になっているものなら何でもよい。安定感を選び今回はアロンアルファ(多用途ゼリー状)をチョイス。

定規

DIYで鉄板のシンワのステンレス定規。プラ定規でもいいがひとつあると便利。精度が高いので本気の加工にも使え丈夫である。

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クランプ(任意)

金具を固定するのに使用する。今回カットする金具が小さいのでクランプがないとカットは難しい。クランプは100円ショップなどでも売っているので出来れば準備しておこう。

金属用ヤスリ(任意)

カットした金具のバリとりに使用する。100円ショップで購入した金属用ヤスリ。耐久性が心配ではあったが数回使用した今でも大丈夫。とりあえずなら100円ショップでいいだろう。

紙やすり(任意)

接着面の下地処理づくりに使用。接着面を紙やすりで削り表面のコーティングなどを除去する。下地処理で接着強度が大きくかわる。他にプライマーという手もある。今回は余っていた#180の布ヤスリを使用した。

マスキングテープ(任意)

仮止めやゴム材へのメモで使用する。

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3. 金具のカット

今回37ミリでカットしたが実際はもう少し短くても大丈夫。個体差があるかもしれないので既存パーツや実物本体を実測することをおすすめする。

Point

大きさは現物を測定して確認すること。

クランプで固定して金ノコでカット。

ノコ道が付きづらくカットは難しい。なので棒状の鉄ヤスリでカット部分にノコ道を作っておくといい。

Point

棒状の鉄ヤスリを使いノコ道を作ってから金ノコでカットする。

カット完了。コノ道さえできれば簡単にカットできる。クランプで固定していれば初心者でも大丈夫。

4. 金具の面取り

カットした金属パーツの角を落とす。100円ショップのヤスリだが予想以上に使える。

はい、面取り完了。数回こするだけで角が取れる。

金具パーツの準備はこれでよし。

5. ゴムパーツのカット

今回一番難航した作業。なぜ難航したかと言うとスチベル本体が歪んでロックするオス部分の位置がズレていたため。なので受け側のど真ん中に金具を付けると金具とオス部分が干渉してロックできなくなってしまう。なので今回金具を本体側にズラして取り付けた。これによりゴムパーツをズラしてカットする必要がある。

外観のカット

カムラッチの受け部分を実際に計測してサイズを確認。23×39ミリで外観をカット。ここも個体差があるかもしれないので実物を計測しておくこと。

突起部分の調整

ゴムパーツをはめ込もうとしたら受け側の三か所の突起部分が干渉。無理やり押し込めないこともないが歪んでしまうのでゴム側をカット。

以下は切れ込み。ちょっと深く切りすぎてしまった。

注意

あまり深く切り込みを言えるとスリットを入れたときに切れてしまうので注意してください。写真でみる右側一か所のスリットは少し浅めにしておくとよいです。

スリットのカット

カムラッチのオス部分が通る道をカットする。はじめは中央をカットしようと思ったが実測。スチベルの歪みがあり真ん中で切ったらアウトだった。カムラッチのオスがギリギリ通る幅でカット。カットする位置は実物で確認し墨つけする。

Point

スリット部分の位置は個体差があるので実物でカット位置を確認する。

マスキングテープで仮止めして位置を確認。カムラッチの受け部分が歪んで上方向にズレているのがよくわかる。金具は1.5ミリほど下にずらして取り付け。これは個体差なので自身のスチベルで確認が必要。

仮止めとカットを繰り返しゴムーパーツをカットする。

6. 仮組

金具とゴムパーツを仮止めして仮組する。

オス部分を引き寄せてちゃんとロックできるか確認。ゴム部分が干渉しないか等をチェックし問題なければ本組に入る。

Point

金具の入り口部分がズレるとロック時に干渉するのでズレないように注意したい。

と、この時に金具をゴムパーツのどの位置につけるかきめてマジックで印(墨)を付けておくこと。この墨がズレるとロックできなくなるので慎重にやる。

Point

ゴムパーツに金具固定位置の印を付けておく。

7. 接着

ゴムパーツと金具を接着剤で取り付ける。

ゴム下地処理

ゴムパーツの接着面をサンディングする。ゴムの表面はツルツルしていて接着に適していない。

白くザラザラになるまで表面をこする。

金具の下地処理

金具の表面をサンディング。金具の接着面が平面でないのでやや心配。とりあえずツルツル部分が無くなるまで頑張る。

接着

接着剤を塗布。接着剤でまわりを汚さないように養生することを強くおすすめする。

カッティングボードの上で接着剤を使うとカッティングボードが汚れるので注意。以前オルファのカッターマットに接着剤が付いて非常に悲しい思いをした。

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金具とゴムを接着。このとき向きと位置に注意する。金具の位置がズレるとロックできなくなってしまう。

Point

金具の接着位置はズレないよう細心の注意を払う。

・・・翌日。多少なり負荷のかかるパーツなので一日置いてみた。

8. 組立

今回作成したパーツをカムラッチの受け部分に装着。

もちろん仮組しているので問題なくはまった。

次にプレートの取り付け。

ネジは樹脂の固定に使うタップねじ。特殊なネジなので無くさないようにくれぐれも注意。

プレートをネジで固定。受け部分が樹脂なのであまり力を入れ過ぎないよう注意。きつく締めすぎるとネジ切ってしまう可能性がある。

取り付け完了。本体が歪んでいたので金具部分が少し下側にオフセットされている。

9. 動作確認

仮組したので問題ないと思うが動作確認。

いきなり入口部分で金具が少しだけ干渉している。まぁ使用に耐えるレベルなので今回は良しとする。

レバーを左に回してロック。

金具パーツに押す部分がガッチリ固定されフタが簡単に開くことは無くなった。

まとめ

筆者はこの手の作業が好きなのでよかったが工作が苦手な方はヤフオク等でパーツを購入した方がいいかも。あと古いスチベルだと本体が歪んでいて売られているパーツで正しく動作しない可能性がある。カムラッチのオス部分がスリットの中央からズレて固定されているようなら自作した方がいいだろう。スチベルのフタ固定に長年(15年以上)イライラしてきたがこれで解消される。長かった・・・(遠い目)。

ポイント
  • スチベルのフタは事故防止のため完全に固定できない
  • 完全固定するためのパーツがヤフオクなどで売られている
  • スチベル本体が歪んでいると一般的なパーツで動作しない可能性あり

この手の修理や改造は本当に楽しいです。

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