悪質訪問販売で死ぬぞと脅され30万円の羽毛布団を購入しそうになった昔話

悪質商法

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1998年、私が25歳の時に布団の訪問販売で高額の商品を買わされそうになった体験談である。結論から言うとブラック企業に勤めていて極貧状態のため買わずにすんだ。かなり強引かつ悪質な手口だった。布団の訪問販売とは昔からある悪質商法のひとつで布団の点検と偽り高額な布団を強引に購入させる商法である。

注意

訪問販売で布団を購入した方は迷わず消費者ホットラインに電話してください。通常より何倍も高い価格で販売している可能性が高いです。局番なしの「118」番で無料相談できます。迷っているとクーリングオフの期間を過ぎる可能性があります。怪しいと思ったらすぐに相談してください。


参考
消費者ホットライン消費者庁

布団訪問販売の体験談


注意:写真はイメージで悪徳商法業者とは無関係です。

何とか買わずに追い返すことができたが、かなり強引な手口で買う寸前まで追い込まれ危なかった。

布団のクリーニングいかがですか

夜の7時ころだったと思う。一人暮らしのアパートのチャイムがなりドアを開けると若いお兄さんが「無料で布団のクリーニングをしていますいかがですか?」と。特に必要ないと思った私はすぐに断った。すると後ろからベテランらしき50代くらいの男性にタッチ。布団をクリーニングしないと体に悪いとかなんとか言って15分くらい玄関でひと悶着。あまりにもしつこいのでクリーニングをお願いすることに。さすがベテランといった所か、若かりし頃の私は押しに負けて布団の訪問販売員とは知らずに家に上げてしまった。

悪徳商法の販売員はなかなか帰らない

この布団は危険だと言い始める

無料ならいいかと思い二人の訪問者を部屋に入れてしまった。

ふない「じゃ、この布団ですよろしくお願いします。」

ベテラン販売員「この布団はクリーニングできないタイプのものですね・・・」

ベテラン販売員「ん、、、しかもこの布団危険ですよ。この表面に銅を使っている部分があって錆びています。この錆びは人体にかなり有害で死に至ることもあるんですよ。」

新人販売員「・・・。」

ふない「あぁ、、、そうですかじゃクリーニングいいです。」

ベテラン販売員「この布団で寝るのはかなり危険なんです。命がかかってるんですよ。いいですか・・・」

私の布団の危険性についてかなり長い説明を聞かされる。15分経過、もしかしたら危ないのかも。30分経過、うんヤバいかもしれない。30分ほどなんやかんや説明されてこっちも布団が危ないんじゃないかと思い始めてきた。健康や命に係わることなのでこっちも心配になってしまう。とにかく私の不安をあおりに煽ってくる。

この布団で寝てたら死ぬと言われた

本題の高額布団販売

不安をあおりに煽ったところで、はい、こちらの高級羽毛布団のご紹介。

ベテラン販売員「あなたラッキーです。ちょうど私たち布団の販売もやっていまして、この機会に買い替えましょう。」

不安のどん底にある私は買い替えないといけないと思い布団を買おうと思っていた。

ベテラン販売員「今なら特価で30万円でこの高級羽毛布団を」

ふない「いやいやそんなお金ないんでいいです。そんな布団買えません。」

ベテラン販売員「お兄さん大丈夫ローンも組めます。これ契約書あるんでローン組んで買いましょう!!」

当時ブラック企業に勤めていて一人暮らしの私はお金がない。貯金10万円以下である。命と30万円天秤にかけたら30万円の方が重いと思えるほどだ。強引に追い返すことはできなかったが金額を聞いてとにかく購入を断った。でも、帰らない、引き下がらない。さすが、ベテラン販売員。新人もみてる、ここまで追い込んで獲物を逃がすはずはない。ここで30分くらいすったもんだ。不安をあおられ苦しい状態で販売員の猛攻は続く。

不安をあおられ追い込まれる

とにかく帰らない

さすがベテラン落ちそうになっている獲物を目の前にしたら粘る。帰らない。帰ってくれない。追い込んでも首を縦に振らない私にベテラン販売員は少しイライラしていた。ここで話題を変えてさらに追い込んでくる。

ベテラン販売員「ん、お兄さんギターやるの?」

ふない「はぁ少しだけ。」

ベテラン販売員「それでどんな曲ひくの?」

ふない「今はレッドツェッペリンとか練習してますけど。」

ベテラン販売員「いいねぇどのアルバムどの曲」

ふない「4で天国への階段とかですかね」

ベテラン販売員「お兄さん良いセンスしてる。こうなったら布団値引きします。25万でどうですか?」

当時の私にとっては命よりも25万円の方がはるかに重いと思えた。相当譲歩した価格を言った雰囲気だったが、当時の貧乏度から言えば5万でも買えない。不安をあおられつつも当時の金銭感覚で私が買える布団の金額はせいぜい1万円くらいである。

落ちそうな獲物を前に粘る販売員

猛攻撃のち撤退

値引きの話からの猛攻撃はけっこうスゴかった。「今がチャンス」「こんな値引くことはない」「お兄さんへの特別価格だよ」とか色々言ってきて一向に帰ろうとしない。ここから30分以上すったもんだがあって。「お兄さんなんでここまで言って何で買わないんだろう?ほんと不思議?」あぁ自分は布団を買うことができないダメ人間なのか?布団を買えない自分が悪いことをしてるように思えてきた。プロの販売員に追い込まれると素人はこんな感じになる。「はぁ~、わかりました。」二時間くらい経ったころようやく諦めて帰ってくれた。帰り際、かなり不機嫌な顔していたのがとても印象的だった。

不服そうに帰る二時間粘った販売員

平日の夜にたっぷりと疲労してしまった。部屋には死を運ぶ布団とちょっと安心した私・・・。

布団の訪問販売とは

調べてみたところ「布団の訪問販売」は、悪徳商法の定番でかなりメジャーなものだった。布団の訪問販売=悪徳商法の認識でまず問題ないと思う。

点検商法は定番の悪質商法

今回私が体験したのは、「点検商法」という悪徳商法のひとつ。布団以外にもさまざまなバリエーションがあり、悪徳商法と定番的な手法である。

まず無料点検などと理由をつけて忍び寄ってくる。ここが最大のポイント訪問販売とわからないように近づく巧妙な手口。次に危険をあおって商品を買わせる。今回は布団の健康被害であったが、水道の浄化器、白アリの消毒などさまざまな点検バリエーションがある。とにかく「無料点検」と言われたら即座に断らなければいけない。

注意

「無料点検」などと言うセールスは非常に危険です。家に招き入れてはいけません。絶対に断りましょう!!

「無料で家屋を点検する」などと称して家庭を訪問し、「柱にヒビが入っている」「シロアリがいる」「このままでは家が倒れる」など、事実に反する情報を伝え、シロアリ駆除・補強工事などの契約をさせる手口[7][1]。虚偽説明をされた場合や価格・性能など重要事項を故意に告げられなかった場合は消費者は契約を取り消すことができる[8]。

引用:悪徳商法 – Wikipedia

販売目的を隠して近寄る

これは悪質商法の典型的な手口である。セールスのテクニックだと思われる。はじめに販売目的であることを伝えると入口で断られてしまう。これを避けるために違う内容を餌にして近づいてくる。無料何々、お試し何々、アンケートなどで簡単なイエスを相手から引き出し段々条件を上げていくというやつだ。こういう経験があるので無料系のものは基本信用していない。そこには無料を餌に搾取しようとする人がいるのだ。

更に悪質なのが水道局職員や消防署職員と名乗って近づいてくるケース。公的機関の職員を偽るケースもあるため注意が必要。もし公的職員を名乗る場合は「直接公的機関に直接連絡」してそのような職員がいるかそのような訪問をしているか確認する。例えば水道局職員であれば「電話で確認するので名前と所属を教えてください」と言えばいい。もし悪徳商法であればこの時点で悪態をついて帰るはず。更には「心配なのでやり取りをスマホで録画させてもらえるか」確認する。証拠を残したくないので悪徳商法業者は逃げるはず。


参考
水道局職員を装った悪質な訪問販売や詐欺が多発しています!東京都水道局


参考
消防関係製品の悪質な訪問販売・詐欺等について 平成30年総務省消防庁

注意

「無料点検」、「アンケート」、「水道局職員」、「消防署職員」が訪ねてきたら悪質訪問販売の可能性がものすごく高い。

ふと思い出したがマンションに訪ねてきたアンケートに答えたら宗教の勧誘だったことがある。悪徳商法に限らず「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」を使っているようだ。特に「良い人」は「ハードルの低いお願い」には十分に注意しよう。付け込まれてそのあとで「大きなお願い」が待っているかもしれない。

「フット・イン・ザ・ドア・テクニック」と呼ばれる手法は「一貫性の原理」を利用しているビジネスの例である。これは、顧客に対して小さな(一般的には顧客にとって損失のない)要求を行い、それが受け入れられてから大きな要求を行うという手法である。

引用:一貫性の原理 – Wikipedia

不安をあおる

プロの販売員相手に一時間以上不安をあおられたら素人はかなりつらい。やつらは、追い込んでくる。追い込んで、追い込んで、追い込んでくる。後から冷静に考えればおかしいことに気が付くが、販売員のペースに巻き込まれるともうアウト。自分の利益のためだったら何でもやる連中なのだ。そして弱者が餌食になる。強い者からではなく弱い者から搾取する。自分の利益しか考えないのでどんな卑怯なことも平気でできるのだ。あの販売員が地獄に行くようにお祈りしたい。

一度家に入れてしまったが最後で販売員はしつこぉーく不安を煽ってくる。万が一家に入れてから気づいた場合は「急ぎの要件があるので帰ってほしい」と言おう。帰らなければ「警察呼びますよ」でよし。この際思い切って本当に警察を呼んでみるのもいいかもしれない。そのぐらいの気持ちがあれば販売員は帰るはず。

居座って帰らない

定番、居座って帰らない。相手が根負けするまで粘る。ネバネバ粘る。これでやられる押しの弱い人も多いはず。また、一度部屋に入れてしまうとこちらも帰れと言いづらい。一度入れたらアウト。

ここも上記と一緒で「急ぎの要件があるので帰ってほしい」からの「警察呼びますよ」でよし。あまりにもしつこかったら本当に警察に電話する。居座り行為は「不退去罪」という罪になるのでその旨も販売員に伝えてみよう。

不退去罪(ふたいきょざい)は、刑法に規定された犯罪類型の一つであり、要求を受けたにもかかわらず人の住居等から退去しないことを内容とする。真正不作為犯である。刑法130条後段に規定されており、同条は前段で住居侵入罪も規定している。

引用:不退去罪 – Wikipedia

車の一括査定の話の時にも帰らない(帰れない)営業がいました。厳密には「帰れない営業」が正しいかもしれない。上司に「契約とってくるまで帰ってくるな!!」とか言われるんだろう。ブラックだなぁ・・・。

車一括査定体験談~おすすめしない理由と高価買取の秘訣~

布団の訪問販売には続きがあった

布団の訪問販売はまだ続きがあった。一度カモになった消費者からアフターサービスと言って更に金をむしり取る。骨の髄までしゃぶりつくすさすが悪徳商法である。

5.アフターサービスを口実にして次々と他の契約をさせられるケース
「布団の契約をしていただいた後も定期的に無料でアフターサービスをさせていただきます。」というのは注意が必要です。
「アフターサービス」を口実に次の商品の契約をさせるということです。そのために無料のアフターサービスという言葉をうまく使ってくるケースもあるので注意が必要です。

引用:行政書士にお任せ.com

こちらの方は完全に被害に遭われているが気づいていないのだろうか。

身近な人で訪問販売で布団を購入した人がいたらすぐにクーリングオフをすすめましょう。

被害にあわないために

今後は高齢者をターゲットにしてくるんだろう。若い人もローン組まされるとかあるから気を付けてほしい。

被害にあわないためのポイント
  • 知らない人が来たらはっきりと要件を聞く
  • 知らない人が来たらドアを開けない
  • 訪問販売はすべて断る

知らない人が来たらはっきりと要件を聞く

訪問販売を断ろうと思っていても販売員が訪問販売であることを中々言い出さない場合が多い。知らない人が訪ねてきて何か話出したら「ご用件は何ですか?」と訪ねよう。もしはっきり答えないようであれば「忙しいので失礼します」と言ってお断りする。たまにかかってくる電話での不動産投資や先物取引の勧誘なども同じように一番初めに要件を聞くようにしている。

水道局職員や消防署職員などの公的機関であっても安心してはいけない。身分を偽った訪問販売員がいるからだ。消費者契約法の第4条1項1号に不実告知がある。これは販売員が事実と異なることを告げた場合にその契約を取り消せるというもの。なので公共機関を名乗る人物がきたらスマホで録画しながら「訪問販売ですか?」とたずねよう。「訪問販売ではない」と答えてら「スマホで録画しました、嘘はないですね?」と言えばいい。本当に公的機関の職員だったら笑って許してくれるだろう。

事業者が消費者と契約を結ぶ際に、重要事項について客観的事実と異なる説明をすること。消費者契約法では、不実告知により消費者に誤認が生じた場合、消費者は当該契約を取り消すことができるとされる。「便利である」など主観に基づく表現は不実告知には当たらない。

引用:小学館デジタル大辞泉

公共機関を名乗る人物への対応
  • 訪問販売員ではないことをスマホで録画しながら確認する。
  • 名前と部署を聞いて公共機関へ直接その人物がいるか確認する。
  • やり取りをスマホですべて録画することを了承させる。

知らない人が来たらドアを開けない

点検商法など目的を偽って近づいてくる訪問販売には特に注意したい。筆者が体験したように「無料で布団の点検をさせてください」など色々な理由をつけて自宅に入り込む戦法だ。訪問販売員とわかれば早々に断ることもできるがこのように目的を偽っている場合断りにくい。白アリ点検、布団点検、消火器点検、ネット回線、リフォームなど色々あるが目的がわかるまで絶対に玄関のドアを開けてはいけない

少し面白い例だと消防署員でもないのに「消防署の方からきました」と言って消火器を購入させるケース。「消防署から」ではなく「消防署の方」なのだ。事務所や自宅が消防署の近くにあったら「~の方」で間違いないと言えば間違いない。このように巧みに訪問販売員であることを隠して近づいてくるためどんな理由であれ知らない人が来たらドアは開けないこと。

訪問販売はすべて断る

訪問販売にくる営業はプロ。素人では太刀打ちできない。勧める商品が必要が不要かにかかわらず押しに弱い人は買ってしまう可能性が高くなる。後から冷静に考えてやめればよかったと思ってもクーリングオフなど面倒なことになる。訪ねてきた人が訪問販売員とわかった時点で早々にお断りする。中途半端に話を聞くと相手も脈ありだと思い食い下がってくる。

布団にかかわらず自分が欲しいと思う商品であればネットなどで調べてゆっくり吟味して選べばいい。何も訪問販売で慌てて買う必要などないのだ。ネットでの販売と違い訪問販売では販売員の人件費などのコストもかかるため冷静に考えればどちらが割高なのかわかるはずだ。

特に押しに弱い人は訪問販売だとわかった時点で勇気を出してお断りする。欲しいものは進められて買うのではなく自分の意思で吟味して買った方が失敗が少なく後悔もない。筆者はこの件以来すべての訪問販売をお断りしている。

訪問販売で布団を買ってしまったら

もし訪問販売で布団を買ってしまったらすぐに国民生活センターに相談。消費者ホットライン(全国統一番号)は局番なしの「118」番です。


参考
全国の消費生活センター等国民生活センター


参考
消費者ホットライン消費者庁

注意

訪問販売で買わされる布団は通常価格より何倍も高いです。

クーリングオフ

8日以内であればクーリングオフといって契約をキャンセルすることができます。無料相談なので迷わずすぐに電話してください。

クーリング・オフってなに?
特定商取引法やその他の法律に定められた消費者を守る特別な制度です。

クーリング・オフは、消費者が訪問販売などの不意打ち的な取引で契約したり、マルチ商法などの複雑でリスクが高い取引で契約したりした場合に、一定期間であれば無条件で、一方的に契約を解除できる制度です。

~中略~

特定商取引法におけるクーリング・オフができる取引と期間
訪問販売(キャッチセールス、アポイントメントセールス等を含む):8日間

引用:クーリング・オフ(テーマ別特集)_国民生活センター

まとめ

家に上げないことと記録を取ることができれば十分撃退できる。消費者契約法の不実告知があるため記録をとるのは有効な方法。相手も記録を取られるのを嫌がるので記録していることがわかればすぐに退散する。

ただし、一度家に招き入れてしまうと「とても大変なこと」になるので十分注意してほしい。

もし家に上げてしまったら「このあと大事な用事があるので帰ってほしい」と言う。無理に居座るのは不退去罪という罪になる。最後は「警察を呼びます」と言う。彼らは鬼のようにしつこく帰ってくれない。帰らない場合は本当に警察を呼ぶ。悪質な場合は何時間も居座ることもある。無駄な時間を過ごさないためにも早めに「警察」のキーワードを相手に伝えてください。

悪質商法撃退のポイント
  • はじめに訪問販売ではないことをスマホで録画しながら確認する。
  • 公共機関を名乗る人物であっても家に入れない。
  • アンケートや無料点検などは門前で断る。

筆者は、悪質商法にご縁があるようです。デート商法の体験談もよろしければどうぞ。

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