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オイル仕上げの無垢テーブルがかなり汚れてしまったので表面を削りオイルで再度塗装した。手間はかかったが新品同様に復活することができた。手順とポイントについて説明する。
目次
無垢材のテーブルとは
無垢材とそれ以外の材料について少し説明する。
突板と無垢材の特徴
前提知識として無垢材と突板の違いをあげる。家具屋さんで売っているほとんどが突板。無垢材は「重い、高い、反る」といったデメリットが多いせいかほとんど見かけない。そもそも10万円以上するテーブルの需要が少ないのかもしれないが。
突板 | 木を薄くスライスしてベニヤ板などに貼りつけたもの。安価に天然の木目を味わえる。無垢材に比べ軽い。合板なので狂い(反りや変形)が少ない。
・軽い |
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無垢材 | 木の素材そのままに利用するもの。突板にくらべかなり重い。厚みのある大きいテーブルになると50kgを軽く超える。特に一枚板になると狂いやすい。価格が突板にくらべ数倍。仕口(組み合わせの加工)によっては一生使える。
・重い |
無垢材の一番のデメリットは価格。一枚板と呼ばれるつぎはぎのない板だと30万円以上、突板のダイニングテーブルなら3万円くらいである。ものによっては10倍くらい違うのでいくら良いとはいっても買うのは難しい。ただ一生使う机と考えたら安いかもしれない。子供や孫に受け継ぐことも可能。無垢材の一枚板は長ーい目でみればコスパはいいのだ。
デメリットはあるが個人的には値段は高いが長く使える無垢材の家具がおすすめである。良い材であれば家具職人さんに頼んでリメイクしてもらうことも可能だ。木組みの家具であれば一生使うことができる。1枚板をそのまま使えば資産としても残せる。
ウレタン仕上げとオイル仕上げ
はじめに言っておくがオイル仕上げは汚れやすくメンテナンスに手間がかかるので購入する場合は覚悟してほしい。作業デスクならまだいいがダイニングテーブルをオイル仕上げにすると相当面倒なことになる。
ウレタン仕上げ | ウレタン樹脂で木の表面をコーティングしたもの。汚れに強くメンテナンスし易い。表面がウレタン樹脂で厚く覆われるので触れた感じの質感は損なわれる。
・汚れにくい |
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オイル仕上げ | 専用のオイルで木の表面をコーティングしたもの。表面のオイルが無くなると汚れやすくなりコップなどの輪ジミが付いてしまう。こまめにメンテナンスする必要がある。触れた感じの木の質感があり触った時に温かみを感じる。
・汚れやすい |
筆者はダイニングテーブル、作業デスク、サイドボードを無垢材のオイル仕上げにしている。ウレタン塗装と比べると触った時の質感が何とも言えなく良い。デメリットの汚れも味が出ると思えてくるのでまったく不便を感じていない。木の温かみを感じれるとこが大変に気に入っている。
無垢材オイル仕上げの作業デスクは8年くらい使っているが少し日焼けしているがとてもよく馴染んでいる。愛着がわいて道具と言うよりも相棒といった感じ。一度この風合いを知ってしまうとウレタン塗装には戻れない。
せっかくの無垢材ならオイルをおすすめしたいが小さい子供がいる場合は注意が必要である。ウレタン塗装に比べてオイルはマジックによる落書きに弱い。インクがしみこむと基本的には消えない。1歳の長男が一枚板のサイドボードにマジックで落書きしているのをみてめまいがした。そのまま放置してあるが削って消せる気がしなかった。子供xマジックはオイル仕上げの天敵である。
メンテナンスするテーブル
5年くらい前にBRUNCHさんで購入したタモ材のダイニングテーブル。ウレタン塗装とオイル仕上げの選択ができたのでオイル仕上げを選んだ。ただし無垢といっても一枚板ではなく無垢の集成材。一枚板になるとお値段は倍を超えてくる。
こども(4歳&1歳)が食べ物をこれでもかと言うくらいこぼすのでシミや汚れがひどく拭いても綺麗にならない。家にはオイル仕上げの無垢家具がほかにテーブルとサイドボードがあるのがダイニングテーブルの汚れは別格。思い切って表面をやすりで削り再度オイル塗装することにした。本当は定期的にオイルでメンテナンスすると汚れにくくなるのだが2年以上放置したので表面の汚れがしみ込んでしまっている。
作業時間は全体で慣れていれば2時間くらい。ただ、オイル塗装後の乾燥に12時間かかるので、2度塗り、3度塗りする場合にはさらに時間がかかることになる。メンテナンス中にテーブルを使う場合はテーブルクロスが必要となる。
メンテナンスに使用する道具
今回は表面を削り取るため粗い紙やすりを使用する。使用する道具で金額的に一番高いのはオイル。三種類そろえるとそこそこお金がかかるので、余裕がなければ塗装か仕上げのどちらかひとつで問題ない。日々のメンテナンスは紙やすりを使わずにウエスとオイルだけで十分である。
- スクレーパー
- 紙やすり(#180、#240、#400)
- 当て木
- 防じんマスク
- ウエス
- ビニール手袋
- 塗装用オイル
- 仕上げ用オイル
- メンテナンス用オイル
- テーブルクロス
スクレーパー
今回は汚れがひどくご飯粒らしきものが固まっていたのでスクレーパーを使用。汚れがひどい場合は効率よく作業できるので便利である。テーブルがでこぼこするような汚れがなければ使用する必要はない。
スクレーパーは、ダイソーで購入。100円にしてはかなりがんばってくれました。
スクレーパーで事前に汚れを落としておかないと紙やすりが目詰まりしてほとんどまともに作業できなくなる。汚れがひどい場合は必須と思っていい。ただし、軽いメンテナンスの時はスクレーパーの傷がつくので使わない方がよい。使うときは削るの前提で。
紙やすり(#180、#240、#400)
今回は表面を削り取るので#180から使用。汚れがひどくない場合は#240だけでもよい。
今回の作業で一番重要な部分。ポイントはふたつ、ひとつは汚れがひどいので荒い目から段階的に使用すること。ふたつめは目詰まりのしにくいやすりを使うこと。何種類かのやすりを使っていて思ったのが目詰まりしやすいものだとほとんど作業にならない。当たりはずれがあるので目詰まりしにくいやすりを使うようにした。使っていて10回前後から目詰まりするようなら別のやすりを準備したほうがよい。
- 荒い目から段階的に用意する
- 目詰まりしにくいものを選ぶ
傾向で言うとサンダーとかにおまけで付いてきた紙やすりは使い物にならなかった。東急ハンズとかでそこそこ高い紙やすりは目詰まりしづらく使いやすかった。機会があればおすすめ紙やすりを見つけて紹介したい。Amazonであれば以下のセットが使いやすそう。
紙やすり用の当て木
テーブルの表面を平らに削るために必要。手と紙やすりだけで削ると平らにならないため平面を出す場合は必須のアイテム。
今回はコルクの巻きつけるタイプを使用。通常は、平面の出た木に紙やすりを両面テープでくっつけて使用する。当て木はホームセンターなどで購入可能。東急ハンズの木材コーナーに置いてある。いろいろなサイズがあるので握りやすいものを選ぶ。両面テープとあわせても500円くらいで収まる。
他には、「ハンドサンダー」で検索すると当て木の代わりになるものがいくつか出てくる。面積が大きい場合には購入を検討したい。多少費用はかかるが参考まで。
防じんマスク
木くずが細かく吸い込んでしまうので使用する。家に小さい子供がいる場合は作業中近づかないように注意!!
気のせいかもしれないがこれしないと体調が悪くなる気がする。木の粉が舞い上がるので装着しておいた方が安心して作業できる。これもホームセンターで購入。無ければふつうのマスクでもしておいた方がいいです。
3M(スリーエム) 防じんマスク 8805-DS2
ウエス
家にウエスがあれば購入しなくてもよい。ただし、ウエスは1kgで600円と高いものではないので買っておいてもよいと思う。掃除などにも使えるしあると色々と便利。
場所をとるデメリットはあるが値段が安く掃除などにもつかえるのでおすすめ。
ビニール手袋
オイル塗装時に必要。100円ショップで買えるので購入しよう。素手でも塗装できるが手についたオイルがなかなか落ちない。
一度素手でオイル塗装をしたことがあるが30分近く手を洗ってもオイルが落ちなかった。ほんと大変なので手に触れないように注意。オイル塗装は手袋してください。
塗装用オイル
テーブルの表面を削る場合は塗装用のオイルを使用する。無垢材のダイニングテーブルにはリボスシリーズの場合アルドボスを使用。
用途と特徴
内装用木材(床・ドアー・家具など)屋内の広葉樹、堅材及びコルク用。使用頻度の高い部位には、ワックス処理の前処理剤としても使用可能。水廻り・濡れ場・作業場などにはワックスなしで、アルドボスのみを塗布する。
引用:リボス自然健康塗料 / ARDOVOS No.266 アルドボス
以前通っていたプロの職人さんがいる木工教室でもリボスを使っていた。ちょっとお高いが定番の塗料のようだ。
仕上げ用オイル
仕上げには艶出し効果のあるビボスを使用。天板をあまり削らない場合はこれだけで十分。
用途と特徴
室内用木材・家具の最終仕上げ処理として使用。乾燥時間が早い(約2~4時間)
~中略~
着色料は土壌鉱物顔料のうち、高品質で化粧品・子供玩具・食器などに使われるもののみを採用している。
引用:リボス自然健康塗料 / BIVOS No.375 ビボス
缶だと普段使用しにくいのでよく混ぜたあとに少量を別の容器に入れて使うようにしている。
メンテナンス用オイル
日々の汚れ落としメンテナンスに。リボスにくらべ匂いも少なく手軽で使いやすい。オイルのベトベト感も少ない。
Orange Oil/Lemon Oil(オレンジオイル/レモンオイル)
天然のオレンジオイルとミネラルオイルを配合した木部専用クリーナー。天然のオレンジに含まれるDリモネンの成分が汚れを取り除きます。比較的粘度が低いため浸透しやすく塗装面や生地の乾燥を防ぐ効果もあり、あらゆる木部、塗装面に使用できます。
引用:Orange Oil/Lemon Oil|HOWARD (ハワード)|ZENBU JAPAN CO.,LTD.
テーブルクロス
オイルの乾燥に時間がかかるのでメンテナンスが終わるまではテーブルクロスで保護しておく。出番の多いダイニングテーブルなのでメンテ中は汚さないように注意したい。やすり掛けの直後に汚されると染み込んでしまうので注意。
メンテナンス手順
メンテナンスというより再度オイル塗装するイメージ。手間はかかるが新品同様に綺麗になる。
- スクレーパー汚れ取り
- ヤスリ掛け
- 水引き
- 仕上げヤスリ掛け
- オイル塗装(1回目)
- オイル塗装(2回目)
- オイル塗装(3回目)省略可
- オイル仕上げ(1回目)
- オイル仕上げ(2回目)
- 磨き
最低でも完了までに4日間かかる。気合と体力があればオイル仕上げの回数を増やしてもいい。
【完璧コース】
時間もそうだが体力も必要とされるため覚悟して挑みたい。
1日目 | 1. スクレーパー汚れ取り 2. ヤスリ掛け 3. 水引き 4. 仕上げヤスリ掛け 5. オイル塗装(1回目) |
---|---|
2日目 | 6. オイル塗装(2回目) |
3日目 | 7. オイル塗装(3回目)省略可 |
4日目 | 8. オイル仕上げ(1回目) |
5日目 | 9. オイル仕上げ(2回目) |
6日目 | 10. 磨き |
【簡易コース】
オイル塗装の回数をはしょることもできるが仕上がりにどの程度影響がでるかわからない。仕上げ含め最低でも2回は塗った方がいいと思う。
1日目 | 1. スクレーパー汚れ取り 2. ヤスリ掛け 3. 水引き 4. 仕上げヤスリ掛け 5. オイル塗装(1回目) |
---|---|
2日目 | 6. オイル塗装(2回目) |
3日目 | 8. オイル仕上げ(1回目) |
4日目 | 10. 磨き |
1. スクレーパー汚れ取り
スクレーパーを使ってでこぼこに固まった汚れをそぎ落とす。
繊維の方向にそって汚れを落としていく。油汚れや食べ物のカスがあると紙やすりが目詰まりするのでできるだけスクレーパーで汚れを落とす。多少傷がつくがこの後粗目のヤスリで削っていくので気にせずにガンガンやる。
2. ヤスリ掛け
定期メンテナンスであれば#240スタートだが汚れがひどいので#180から始める。研磨中は防じんマスクを着用。
これも木目方向にそってヤスリ掛けする。
テーブルの汚れがひどすぎて紙やすりがすぐに目詰まり。この間ヤスリ掛けしてもほとんど木の粉がでずヤスリに固まってついてしまった。汚れで目詰まりする場合はもう一度スクレーパーで削るかもう少し荒い目のヤスリを使う必要がある。
やすりの目詰まりはやすりの良し悪しでかなり違う。良いやすりはほどんど目詰まりしない。種類が多すぎてどこのやすりが良いのかちょっと確認できていないが余りにも目詰まりがひどい場合は違う種類を試してみた方がいい。
#180→#240→#400の順でヤスリがけしたら仕上げに入る。
3. 水引き
#400で削った後にテーブルを水で拭く。水が完全に乾燥したら再度#400でヤスリをかける。水をつけることで一度表面が毛羽立ち綺麗に仕上げることができる。オイル塗装の前には乾いたウエスで木の粉を綺麗に掃除する。これでヤスリ掛け完了。
4. 仕上げヤスリ掛け
テーブルの表面が完全に乾いたら#400の紙やすりで仕上げる。塗れいているとオイルが染み込まなくなるので完全に乾燥させる。
5. オイル塗装(1回目)
アルドボスを使って塗装する。通常オイル塗装は2~3回する。ちょっと匂うので換気しながら作業をおすすめする。
ウエスを使ってオイルを塗っていく。面積が広い場合は刷毛を使ったほうが早く仕上がる。手早く塗らないとムラになるので準備ができたら一気に塗っていく。余ったオイルはあとで拭きとるので少し多めに塗った方がいい。塗り残しがないようたっぷりオイルを塗る。
- 塗料は成分が沈殿しているので必ずよく混ぜてから使う
- 準備をしてムラにならないよう手早くオイルを塗る
- オイルは少し多めに塗る
全体にオイルを塗り終えたら10分ほどまってから余ったオイルをウエスでふき取る。
オイルをふき取ったウエスは発火の恐れがあるので水を含ませてから捨てる。
乾燥するまで12時間かかるので続きの作業は翌日以降にする。
6. オイル塗装(2回目)
#400で研磨後に同じようにオイル塗装する。初回の塗装の場合は最低でも2回は塗った方がいい。ただ気力がなければ1回でもかまわない。
7. オイル塗装(3回目)
#400で研磨後に同じようにオイル塗装する。省略可。本気の方は3回目にチャレンジ!!
8. オイル仕上げ(1回目)
ビボスで仕上げの塗装。#400で研磨後アルドボスと同じ要領でビボスを塗る。
9. オイル仕上げ(2回目)
#400で軽く研磨後ビボスを同じ要領で塗る。
10. 磨き
塗装の翌日以降にウエスで塗装面を磨き光沢を出す。ここまで来るとほぼ新品同様の輝きを取り戻すことができる。
やった感想は「スゲー大変だったけどテーブルがピカピカになって気持ちいい」と、完全に自己満足の世界。手間と予算を考えると辛いが愛着のわいた家具のメンテナンスはそれなりに楽しい。手のかかる家具だがすごく好きになった。
まとめ
ウレタン塗装と違い木の質感を楽しめるオイル塗装。メンテナンスの手間はあるが削れば新品同様になるので愛着も増してくる。まめにオイルを塗っておけばシミになることもないがサボっていると汚れが深くしみ込んでしまう。次回からはもう少しまめにメンテナンスするようにしたい。
- 手間をかければ新品同様に復活する
- オイル仕上げの家具はこまめにメンテした方がいい
- 無垢材オイル仕上げの家具は質感が良く愛着がわく
またメンテナンスするのでたくさん汚してください!!