AICP運用レポート その3~不正クリックが何となく落ち着いてきた~

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不正クリック防止プラブインのAICPを本格運用して10カ月以上経過したのでブロック数などの運用状況をレポートする。結論を言うと不正クリック数が減少傾向にあり現在はかなり落ち着いている。アドセンス運用も安定期に入っていると思われるのでAICPのレポートは今回を最後にする。

注意事項

本記事は不正クリックが発生してもアドセンスアカウントが停止および無効にならないことを保証するものではありません。

注意事項

悪意を持ってアドセンス広告を執拗にクリックする行為は犯罪です。

第234条の2(電子計算機損壊等業務妨害)
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の懲役又は 100万円以下の罰金に処する。
引用:刑法第234条の2 – Wikibooks

前提知識

Googleアドセンス、不正クリック、AICPの基本的な知識。詳しくは以下の記事を参照してください。

 

不正クリック防止プラグインのAICPについてはこちら。

AICP 不正クリック対策プラグイン AdSense Invalid Click Protector~アドセンス狩り、アボセンス、不正クリックからサイトを守る~

不正クリック、アドセンス狩り、アボセンスについてはこちら。

アドセンス停止 Googleアドセンスアカウント停止体験談まとめ

アドセンス狩りについてのめとめはこちら。

アドセンス狩りまとめ~体験談、対策プラグイン、運用レポートなど~

AICP運用レポート

ダッシュボードのブロック数を確認するたびに不安になることもあったが最近は慣れてきた。一定の割合でブロックユーザー数は存在するので過度に気にしないことをおすすめする。ただし、ブロック数が急増するような場合は要注意。

ブロックユーザー数

約11カ月でのブロックしたユーザー数は239。今回のレポートでは2019年3月~12月の10カ月間を対象としている。AICPではブロックしたユーザーを記録しておく期間を指定することができる。この期間が短いと古いブロック情報が自動で削除されてしまうので注意。筆者は長期間サンプルと取りたいのでブロック期間を10年以上に設定している。

ブロックユーザー数の推移

ブロックするユーザーの設定は「1時間以内にアドセンス広告を3回クリック」である。アドセンスレポートの傾向を見ると1時間で2回クリックしていたら攻撃と考えていいレベル。ただし、サイト内の記事と広告を混ぜた関連広告をクリックした場合もブロックの対象となるためすべてが攻撃とは考えられない。通常のアドセンス広告よりも関連広告の方がクリックされやすいのでそちらの影響が大きいかもしれない。

ブロック数は9月がピークとなり下がる傾向にある。関連広告をクリックするユーザーを含めブロック対象になるユーザーを一通りブロックしたのが要因と考えている。アドセンス広告が表示されるユーザーは1日に0~1回クリックするユーザーに落ち着いてくるだろう。関連広告の記事をクリックしてくれるユーザーの収益をここで逃すことになるが割合が低いのであまり気にしていない。

攻撃者数の推移

AICPでクリック制限を設けているがそれを超えて攻撃してくるユーザーを攻撃者とここでは定義する。件数はブロックユーザーと似たような傾向にあり攻撃者も一定の割合で存在しているようだ。タイミングを考えるとアドセンス関連の記事を見たイタズラが多いと筆者は予想している。記事の内容にもよるがどのサイトであっても攻撃者数がゼロになることはないだろう。

アクセス時間

ブロックユーザーのアクセスを時間毎に集計し分析。日中の攻撃が多いので非会社員によるアクセスではないかと予想している。

時間ごとのアクセス

まずは、本サイトの時間毎のセッション数。国内からのアクセスがほとんどなので日中と夜のアクセスがほとんどである。

時間ごとのブロックユーザー数

通常のアクセスと比べ午前中のアクセスが多い。会社員であれば出勤している時間である。業務中に本サイトをアクセスしているのだろうか?スマホからのアクセスが多いので移動中ということも考えられるか・・・。

時間ごとの攻撃者数

攻撃者の時間帯もブロックユーザー数と同じ傾向であった。日中のアクセスは会社員がスマホか会社PCからもしくは非会社員と予想している。

Point

不正クリックをするユーザーは日中をアクセスする傾向がある。

傾向と対策

波はあるがブロック数は減少傾向にあるので、しばらくこのまま様子をみたい。ただし、悪質なユーザーは地道にプロバイダへ通報したいと思う。

ブロック数が減少傾向

ブロックユーザーが減少しているのは再訪問で広告を過度にクリックするユーザーを抑止したためと予想している。ブロックユーザーが増えることでアドセンスに有害なアクセスが減り、結果としてアドセンス広告に有益なユーザーだけがブロックされずに残るのではないだろうか。

アドセンス広告を過度にクリックするユーザーは再犯の可能性が高いので半永久的にブロックするのが有効と考える。アドセンス収入が減る可能性はあるがパーセンテージが少ないため長期間ブロックが有効と判断。

不正クリックのリジェクト

不正クリック発生時にアドセンスのレポートでクリック数などをチェックしているがすべてがリジェクトされていた。これはアドセンスの運用期間が約1年を超えGoogleにある程度信頼されているからと思われる。アドセンスの運用が軌道に乗ればアドセンス狩りはそれほど気にする必要はないのではないだろうか?以下はアドセンスの運用期間とBANについてのAICP作成者コメント。

Hi, everything depends on how old is your Adsense account. If you have a more than 5 years old Adsense account then you can be a little more lenient and allow people to click, I mean increasing your ad click limit. In this way, if any invalid clicks happen, then Google will auto deduct that amount from your earning.
引用:What is the best settings to set? | WordPress.org

では長年運用しているアドセンスアカウントは本当に安全なのだろうか?2013年と古い記事になるが古参のアドセンスアカウントが停止された事例があった。ご存じの通り内容的に攻撃を受けやすいサイトなので例外的な要素もあるが運用期間の長いアドセンスアカウントであったとしても停止される可能性があるため注意が必要だ。攻撃者を煽るようなサイトはAICPなしでの運用は厳しいだろう。

うーん、また不正クリックをやられたようで、Google先生にAdsense停止(アカウント無効)措置を受けました。攻撃者の方、おめでとうございます。訴訟を考えております。立派な業務妨害ですからね。まったく、その力をもっと社会のために役立ててください。説教しますよ。
引用:攻撃喰らってAdsense停止されたけど、「Fluct」使ってたから何とかセーフ

ブロック数と収益

細かい数字をお見せすることはできないがAICPのブロック数とアドセンス収益の関連性はほとんど見られない。要因はふたつあり、ひとつが不正クリックの割合が全体からみると小さい。少ない月では10万PVに1回の割合でブロックユーザーが発生していた。割合でいったら0.001%以下となるのでほとんど影響がない。もうひとつは、不正クリックがリジェクトされていること。アドセンス広告を連続クリックした場合アドセンスでリジェクトとされてしまうのでそもそも収益になっていない。なのでブロックしてもしなくても収益は変わらないと考えている。ただし、関連広告で自身のサイト記事をクリックした場合もブロックの対象となるためその分の収益は下がる可能性が高い。

不正クリックへの対応

アドセンスの停止を防ぐのが優先事項であるが不正クリックへの対応もまとめておく。アドセンス広告を執拗にクリックする行為によりアカウントが永久BANされる可能性がある。もしBANされた場合は電子計算機損壊等業務妨害として訴訟も検討したい。

人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、5年以下の懲役又は 100万円以下の罰金に処する。
引用:刑法第234条の2 – Wikibooks

Googleへの通報

アカウントを守る第一歩としてGoogleへの通報。筆者の場合は悪質な場合のみGoogleへ通報している。詳しくは以下の記事を参照。

アドセンスの無効クリック報告~アドセンス狩りがあったのでGoogleに通報~

プロバイダへの通報

何度か試してみたがプロバイダへの通報に意味があるかどうかわからない。塩対応のプロバイダに心を傷つけられる可能性があるためあまりおすすめできない。

アドセンスの無効クリック報告~アドセンス狩りがあったのでプロバイダに通報~

警察への通報

警察への通報をしたことがないので未知の領域。警察はどこまで対応してくれるのだろうか?


参考
都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧警視庁

IPアドレス開示請求

AICPで攻撃者のIPアドレスが記録されるのでその情報からプロバイダに対してIPアドレス開示請求ができる。筆者は経験がないため一般ユーザーが請求して開示してもらえるか不明。予算があるなら法律の専門家にお願いした方がいいだろう。

筆者は、万が一にもBANされたら自身でIPアドレス開示請求して攻撃者を特定した後に警察に通報するつもりである。どれだけ手間や時間がかかったとしてもネタとしてがっつりやるぞ。

デバイスについて

デバイスについて特筆するようなネタは無かったがコメントがあったのでまとめてみた。予想通り故意に不正クリックするユーザーはパソコン利用者が多いようだ。

デバイスの割合

アナリティクスではデバイスをmobile、desktop、tabletの三種類で記録。ブロックユーザーの傾向を確認する。

2017年時点でインターネット利用率はスマートフォンがパソコンを上回っている。

●スマートフォンでのインターネット利用がパソコンを上回る
2017年のインターネット利用率(個人)は80.9%となった(図表5-2-1-3)。また、端末別のインターネット利用率は、「スマートフォン」(59.7%)が最も高く、「パソコン」(52.5%)の利用率を上回った(図表5-2-1-4)。
引用:総務省|平成30年版 情報通信白書|インターネットの利用状況

2016年のインターネット利用時間を見るとスマートフォンがパソコンの倍近くなっている。

パソコンからスマートフォンへの移行は、利用時間を通してみるとより顕著となる。2012年から2016年までのパソコンによるインターネット利用時間の推移は横ばい傾向、モバイルによるインターネット利用時間の推移は増加している。これを利用場所の類型別に分けると、職場でのパソコン利用時間は増加傾向となっている。自宅での利用は、パソコンが減少傾向、モバイルが増加傾向になっており、全体的に自宅ではより手軽にインターネットにアクセスできるスマートフォンが活用されている傾向があると考えられる。
引用:総務省|平成29年版 情報通信白書|パソコンからの主役交代

2019年の本サイトのデバイスの割合を見るとほとんどがモバイル端末である。

デバイス 割合
mobile 約65%
desktop 約30%
tablet 約5%

攻撃者のアクセスタイプの集計。自宅でWi-Fiつないでスマホした場合Broadbandに集計されると思う。それを考慮してもPCの割合が多いのではと予想している。故意に不正クリックするユーザーはパソコンを使ってじっくりとクリックしているのだろうか。

Type 攻撃件数
Broadband 13件
Wireless Broadband 9件
Point

不正クリックをするユーザーはスマートフォンよりパソコンを使用する傾向がある。

モバイル端末割合

国内のシェアはAndroidが巻き返している。シェアを減らしたが世界シェアを考えると国内のiPhone人気は凄まじい。iPhoneユーザーを敵に回すような言動は今後控えた方がよさそうだ。

また、モバイルOSのシェアも公開。メインで使っているスマホのうち、Androidのシェアは57.2%、iPhoneのシェアは42.8%でした。昨年8月と比較すると、Androidは3.9ポイント増、iPhoneは3.9ポイント減となりました。
引用:iPhoneは減少、Xperiaは増加。国内スマホのメーカーシェア公開 – Engadget 日本版

以下は本サイトのモバイル端末の割合である。なぜかAppleの割合が高い。Appleを好むユーザー層が訪問者ということだ。

モバイル端末 割合
Apple iPhone、Apple iPad 約63%
Apple以外 約37%
Point

本サイトはAppleユーザーの割合が高い。

まとめ

不正クリック数が減少傾向にあるためAICPのレポートもこれを最終回にしたいと思う。ある程度長期間運用したアドセンスアカウントはそう簡単にBANされることはないのではと予想している。ただし古参のアカウントで停止になった事例もあるのであまり楽観するのも問題である。AICPのダッシュボードでブロック数をチェックできるので異常な件数になった場合は緊急対応すればいいだろう。アドセンスは永久BANがあるので厳しいイメージだが気を付けて運用すればそこまでリスクは高くないのではないだろうか。

筆者は体験していないがニュースサイトなどで取り上げられアクセスが一時的に急増することがある。俗にいうバズるということだが不特定多数のユーザーが一気に流れ込むので不正クリックによるアカウント停止のリスクが高まるのではと危惧している。ブロック数に合わせPVの急増などにも今後注意しておきたい。アナリティクスの初期設定でPV急増の通知が来るので大丈夫だろうか?

ポイント
  • 約1年の運用を見ると不正クリックは減ってきている
  • アドセンスで不正クリックはリジェクトされている
  • 古参のアカウントはBANのリスクが低い可能性が高い

運用期間がいくら長くても永久BANのリスクはゼロにはならないので日々のサイト管理を怠らないようにしましょう。

4 COMMENTS

匿名

こんにちは。とても参考になりました。
一つ質問よろしいでしょうか。

この記事にある「攻撃者」について、OSや端末の傾向はありませんか?
もしかしたら、(Windows < iPhone < iPad < Android) の順で、Android端末が多くありませんか?私のサイトでは、多くの「攻撃者」が、なぜか、Android や iPad で不思議に思っています。ユーザーの多い、Windows や iPhone ではかえってあまり発生しないのです。

お手すきの際にでもご確認くださるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。

返信する
ふない

匿名さま

コメントありがとうございます。

>この記事にある「攻撃者」について、OSや端末の傾向はありませんか?

特筆する内容ではなかったですが、デバイスについてまとめたのでご確認ください。

https://zerokara-blog.com/aicp-report3/

筆者のサイトの場合スマホよりもPCからの不正クリックが多い傾向にありました。
ただしそこまで大きな偏りはないので問題ないと判断しています。

>もしかしたら、(Windows < iPhone < iPad < Android) の順で、Android端末が多くありませんか?私のサイトでは、多くの「攻撃者」が、なぜか、Android や iPad で不思議に思っています。ユーザーの多い、Windows や iPhone ではかえってあまり発生しないのです。 インターネットにアクセスする端末のシェアをザックリまとめると モバイル 60% ・Android 35% ・Apple 25% パソコン 40% ・Windows 36% ・MacOS 4% 多い順に並べると (1)Windows 36% (2)Android 35% (3)Apple 25% (4)MacOS 4% こんな感じになります。 なのでAndroidが一番多いのは問題ないでしょう。 ただし、iPadよりWindowsが少ないのはちょっとおかしいですね。 サンプル数が少ない場合偏りが出るのでその影響でしょうか。 デバイスの偏りに実害が無ければ気にする必要はないと思います。 ただ気になる点がひとつあります。 Windows(パソコン)よりもモバイル端末の攻撃者が多いのは もしかしたらサイトのモバイルユーザビリティが原因ではないでしょうか? モバイル表示の時に誤って広告をクリックしやすいようになってはいないでしょうか? それが原因であればサイトを改善する必要があります。

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匿名

ふない様
貴重なお時間を割いてご回答くださりありがとうございます。
また、記事に加筆くださり本当に感謝しております。

>>筆者のサイトの場合スマホよりもPCからの不正クリックが多い傾向にありました。

もしかしたら、ふない様のサイトにも、私のサイトと同じような傾向があるのではないかと考えましたが私の見当違いだったようです。お手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。

ふない様のおっしゃる通り、モバイルユーザビリティが原因となっているのかもしれません。この点をもう一度見直ししてみたいと思います。

ご回答くださいましたこと、重ねてお礼申し上げます。

(私のコメントでコメント欄が汚れてしまっては申し訳ありませんので、いつでも私のコメントは削除してかまいません。お気になさりませんように。)

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ふない

匿名さま

コメントを頂けるとサイトの評価が上がるのでうれしいです。
自分のできる範囲でしか回答しないのでお気になさらないでください。

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